著者
落合 博志 岡 雅彦 岡 雅彦 雲英 末雄 大橋 正叔 岡本 勝 市古 夏生 和田 恭幸 鈴木 俊幸 堀川 貴司 落合 博志
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

本研究は江戸時代初期、文様から明暦末年までの約60年間に日本で出版された全書籍の出版年表を作成することを目的としたものである。調査研究の方法は、全国の図書館の蔵書目録、古書店の販売目録、その他各種目録・図録等から、文様から明暦未年までに出版された文献の清掻を採集して調査台帳を作成し、この所蔵情報をもとに、実地に当該文献の調査を行い、刊記を中心とする書誌情報を原本から採録し、また、刊記の写真の収集に努めた。年表の構成は、古活字本と整版の別、書名、巻冊、刊記、所在の5項目から成り、年代順、月順に書目を配列した。四年に亘る書誌調査の結果は、まだ未確認の文献を残してはいるか、採録した書目は文様慶長25年間で359件、元和寛永29年間で1824件、正保慶安8年間で1415件、承応明暦7年間で930件、合計69年間で4528件である。この有刊記本の調査はほぼ8割程度の完成度ではあるが、報告書百部を印刷して関係機関等に配布した。これは一年後を目途に公刊の予定である。この出版年表を眺めるだけで、本屋の出版活動の具体相、古活字版の趨勢、京都中心の文化状況の中での江戸版、大坂の出版、地方における出版の状況、相間板の出現状況が見て取れ、書誌調査からはまた付訓点漢文体本文の流行、絵入り本の流行などの具体相が見てとれる。これらについては現在研究論文を作成中である。今後この研究を継続して総合的な出版年表を作成するために、江戸時代初期無刊記本の調査研究、五出版を中心とする中世出版文化の研究、元禄末年までの江戸初期出版年表の作成などが当画の緊急に推し進めたい課題である。