著者
松田 瑞史 栗城 眞也
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.1534-1537, 2002-12-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
2
被引用文献数
2

SQUIDは超伝導の量子力学釣な性質を利用しており,磁束量子φ0以下の微小磁束変化に対しても応答する超高感度なセンサーである.この磁束センサーの動作について,ジョセフソン効果,磁束の量子化などの原理にたちもどって解説する.また,実際に磁場を計測するシステムにおいて使われるいくつかの技術について述べる.
著者
山口 亨 片嶋 充弘 王 力群 栗城 眞也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.84, pp.29-34, 2011-06-10
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では電気インピーダンストモグラフィを応用して腹部断面のイメージングを行い,内臓脂肪を推定する,安全かつ安価な装置の開発を目標とした.開発した装置は,64個の電極を2段のリング状に配置し,被験者の腹部に装着する機構を装備した.500kHz,1.0mArmsの交流電流を臍の高さに流し,隣接する電極間の電位差と輪郭形状を測定した.その後,有限要素法と非線形数値最適化を繰り返すことにより,腹部導電率分布画像を得た.さらに,この画像中の画素の輝度分布に,打ち切られた混合分布を当てはめて,腹部脂肪比率の推定を行った.本報告では,インピーダンス測定から腹部脂肪量推定までの一連のプロセスを報告する.電極配置,電子回路デザイン及び画像再構成ソフトウエアの改良により,得られた画像は改善され,現在のところ被験者は少人数だが安定な画像化が達成された.
著者
竹下 悠哉 角屋 智香 木村 勁介 松永 理恵 栗城 眞也 横澤 宏一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.84-89, 2015-04-10 (Released:2015-06-25)
参考文献数
12

We examined whether auditory steady-state response (ASSR), which is known as a lower-order brain response, can be modulated by expectations accompanying the progression of a musical phrase. We fabricated musical melodies consisted of seven tones, the amplitudes of which were modulated at 40Hz, under two conditions:the final (7th) tone was either congruent or incongruent with respect to the musical context of the melodies. Two control experiments were also conducted. The objective of one control experiment was to investigate the effect of the preceding sound (6th) on the final tone (7th) by presenting two final tones (6th and 7th) extracted from the melodies, and the objective of the other control experiment was to investigate the effect of hearing a pitch itself by presenting a tone sequence of ascending and descending scales between A♭5 and C7. The ASSR source strengths were estimated by magnetoencephalography. The strength of the 7th tone of the melodies was significantly larger in the incongruent condition than in the congruent condition. This difference could not be explained by effects of the preceding sound and pitch of the target tone, suggesting that ASSR was modulated by musical expectancy.
著者
鄭 址旭 小林 哲生 李 玉文 栗城 眞也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.1084-1092, 2002-06-01
被引用文献数
5

本研究では,視覚刺激におけるテクスチャによるターゲットとグラウンドの分離・認知にかかわる脳内プロセスの解明を目指し,視野内におけるターゲットの呈示領域と分離・認知されるまでに要する反応時間との関係を調べた.また,課題遂行時の事象関連電位を頭皮上63箇所で同時計測し,更にスプライン・ラプラシアン解析を行い脳活動の検討を行った.その結果,ターゲットの呈示される領域によって反応時間に有意な差が生ずることが明らかとなった.また,課題遂行に伴い潜時の異なる四つの事象関連電位成分が観測された.事象関連電位のスプライン・ラプラシアン解析により,これらの成分の信号源は左右両半球の後頭葉,頭頂葉,前頭葉にあり,このうち反応時間との関連から,潜時約270ms以降の前頭葉の活動が主にターゲットの認知にかかわる脳内プロセスを反映していると推察された.