著者
栗田 萌 保木 邦仁
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2017-GI-38, no.5, pp.1-8, 2017-07-08

本研究では,麻雀において他プレイヤの手牌または待ちの予測を行うことで,打牌を行う際の放銃確率をその点数ごとに推定する手法を提案する.他プレイヤのフーロ数に基づいて,手牌の予測を行うか,待ちの予測を行うかを決定し,この予測結果から自プレイヤの打牌ごとの放銃確率を計算する.提案した手法で放銃確率の推定値を算出し実測値と比較したところ,その差が 1 % 程度となる結果が得られた.
著者
久米 洋輝 栗田 萌 保木 邦仁
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2019-GI-41, no.14, pp.1-7, 2019-03-01

本研究の目的は、麻雀プレイヤの実力を少ない行動記録から推定することである.実力の推定は、麻雀人工知能(AIプレイヤ)を用いてエラーレートを評価することによりなされる.エラーレートとはバックギャモンで用いられるプレイヤの実力の指標であり,これは1行動あたりの推定価値(得点期待値)の減少平均値から見積もられる.現状,麻雀プレイヤの実力は平均順位やレート値から推定される.本研究では,エラーレートと平均順位の平均レート推定性能を比較した.その結果,おおよそ16試合の行動記録から評価したエラーレートと500試合の平均順位が同程度の推定性能である可能性が示された.
著者
栗田 萌
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、近年グラフェンなどで実現されるディラック電子のようなゼロギャップ半導体において、電子相関の効果で新奇の量子相が出現する可能性を探るべくVMCを用いた計算を試みた。スピン軌道相互作用が無い場合でも、ゼロギャップ半導体の対称性が電子相関により破れて系がトポロジカル絶縁体になる可能性があり、これがトポロジカルモット絶縁体と呼ばれる系であり本研究の課題である。計算はハニカム格子系で行い、これにオンサイトのクーロン相互作用Uおよび周辺サイトとのクーロン相互作用V1,V2を導入した。その結果、今までの平均場での研究と比べてトポロジカルモット絶縁体の領域は他の秩序相に潰されてしまい、大きく制限されてしまうことがわかった。しかし、ハニカム格子上の六角形の対角線上のホッピングパラメーターをコントロールすることでトポロジカル絶縁体のオーダーパラメーターが残りそうな領域を現在見いだしている。理論的にはフェルミ速度が小さいほどトポロジカルモット絶縁体になりやすく、VMCによる数値計算の結果、フェルミ速度を従来のハニカム格子の10%程度にまで小さくすることでトポロジカルモット絶縁体が安定する領域を見つけ出すことが出来た。この研究に関する投稿論文は現在執筆中である。また、スピン軌道相互作用が存在する一般的なハミルトニアンのシュレディンガー方程式を解くための変分モンテカルロ法の開発を行った。そのベンチマークとして変分モンテカルロ法にてキタエフ模型の解を求めた。従来使われていた変分関数では、キタエフ液体の基底状態をうまく表現することができなかったため、我々は波動関数に射影演算子をかけて解の精度を上げることに成功した。24サイトおよび32サイトの模型においてエネルギー誤差0.1%程度の波動関数の構成に成功した。この研究の成果は現在Physical Review誌に投稿していて、審査中である。