著者
根岸 毅
出版者
慶應義塾大学
雑誌
法學研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.11-34, 1997-02-28

奈良和重教授退職記念号一 規範的な議論の特徴二 規範的な議論の構成要素 A 個人の思考の局面 ・価値意識の源泉 ・評価の基礎となる思考方法 ・目的の実現と問題解決 B 集団の規準への転化の局面 ・他者の説得 ・政府による行動規制の提案三 規範的な議論の必要性 ・社会科学における「科学崇拝」がもたらしたもの ・問題解決に対する学問の手引きの必要性 ・規範的な議論の必要性と限界四 規範的な議論から問題解決のための議論へ五 放送制度の分析視角 A 放送制度の目的 ・法解釈の一般的な問題点 ・表現の自由 B 手段としての放送制度 ・「未成熟な基本権」論と経済学の貢献 ・番組編成の「政治的公平性」
著者
根岸 毅宏
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.67-99, 2009

アメリカの福祉再編は, 福祉受給者を就労させることで福祉から脱却させる1990年代の政策から, 経済的な自立のためにフルタイム雇用とキャリア向上を促す2000年代の政策へと, 就労を重視する方向にさらに一歩進むことになった. 本稿は, こうしたアメリカの福祉再編を州政府の側に重点を置いて検討することにより, 次の3点を明確にする. 第1に, 1990年代の福祉再編が, グローバリゼーションのもとで, 労働技能を高める方向での労働編成の再編を大枠とする政策体系の一環として行われたことである. 第2に, 1996年連邦福祉改革は, それ以前に州政府がウェイバー条項を活用して導入した施策への, 連邦政府の側の対応であったことである. 第3に, 2006年の連邦福祉改革法の再承認で, 就労を重視する方向にさらに一歩進んだ背景としては, フロリダ州のように, 福祉受給者や低所得者のキャリアの向上に成果を上げつつあるプログラムもあったことである.The priority of U.S. welfare policy in the 1990's was for recipients to leave welfare through employment. The priority of the current decade is for welfare leavers and recipients to achieve independence by getting a full-time job and climbing the career ladder. Consequently, U.S. welfare policy has advanced further in the direction of putting an emphasis on work. This paper discusses U.S. welfare policy from the viewpoint of state governments. In this paper I focus on the followlng three points. First, state governments implemented welfare reform as part of a policy framework based on a high productivity work model to fit with the global economy. Second, the 1996 Federal welfare reform responded in a favorable and complementary fashion to State welfare policies introduced around 1990. Third, state-based job trainlng programs that encouraged welfare recipients to climb the career ladder had an impact on the 2006 Federal welfare reform reauthorization.