著者
佐藤 興平 根建 心具 コバレンコ S. V. リャザンツェバ M. コレンバウム S. V. ハンチュク A. I. ゴネフチュク V. G. 円城寺 守 ブルブレフスキー A. A. ベルニコフ N. ロディオーノフ N. P. ロマノフスキー N. P.
出版者
日本地質学会
雑誌
日本地質学会学術大会講演要旨
巻号頁・発行日
vol.106, 1999-10-05

ロシア極東のシホテアリン地域と日本列島は,日本海の拡大前にはひと続きの地帯として東アジア大陸の活動的東縁部に位置していた.日本海をはさむ両地域の地史と鉱床生成史につぎ総合的な理解を深めるため,これまで実態の分かりにくかったシホテアリン地域に焦点を絞って,日露両国の鉱床研究者による共同研究を始めた.ロシア国内の複雑な情勢などにより,めざましい進展は期し難いが,地道な交流を積み重ねている段階である.近年各種規制がさらに強化されつつあるなか,2年近くに及ぶ折衝のすえ,岩石試料の日本への輸送が一部実現し,放射年代や化学組成の検討に着手できた.ここでは,既存の資料も参照しながら(佐藤ほか,1993a,1996,1998など),シホテアリン地域のメタロジェニーの概略を報告する.
著者
根建 心具 榊 施祝 新妻 祥子 小玉 一人 掛川 武
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.77-77, 2004

表記ピルバラクラトンには太古代後期のMt Roe basaltは広く分布し、一部の地域の玄武岩には絹雲母-パイロフィライト変質帯が発達する。玄武岩噴出の直後の浅海で熱水変質作用が起こったと考えられる。本研究では、未風化のコアを使って玄武岩およびその変質帯の残留磁気を調べた。玄武岩の一部は安定な逆帯磁を保有していると考えられ580℃付近でキューリー点に達する。熱水変質を被った岩石の残留磁気は不安定で、抽出された安定成分も正帯磁と逆帯磁に分かれる。これらの測定結果から、1)Mt Roe玄武岩は磁鉄鉱系に属し、2.77Gaの地殻の一部は酸化的になっていた可能性がある。2)Mt Roe玄武岩噴出時、ピルバラ地域が現在と同じ南半球にあったとすれば地球ダイナモが働き、地球の磁場が逆転していた。このことは2.8Ga頃から地球の磁場強度が増加したとする説と調和的である。3)変質帯の岩石磁気が不安定で方位が一定しない理由は、変質作用の時期と性質が多様であるためか、後期の200∼300℃の広域変成作用によってそれぞれの磁性鉱物が特有の磁気的変化を起こしたためと考えられる。
著者
根建 洋子 根建 心具 瀬戸口 賀子
出版者
鹿児島純心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

九州及び山陰地域から採取した花崗岩の風化プロファイルを鉱物学的・化学的に分析した結果、25億年の花崗岩の風化と多くの類似性が見られることがわかった。具体的には風化の初期段階におけるアパタイトの分解とP(リン)の溶脱、希土類元素を含む多くの元素の挙動の類似性である。現世の風化プロセスには微生物活動が密接に関わっているとされており、特にリンや希土類元素の挙動の類似性は25 億年前の地表における生物活動との関連から興味深い。風化プロファイルから微生物を単離・同定したが、今後は直接バイオタイトまたはアパタイトから単離・同定しその分解と微生物との関わりを探る予定である。