著者
杉山 みち子 中島 昌子 森内 幸子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.323-330, 1986-05-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
17

中年期男性 (40~60歳) の身体的な機能低下から老化を意識する年齢ならびにその様相について調査・観察を行った.1) 男性においては, 身体的な機能低下 (老眼鏡の使用, 眼精疲労, 睡眠障害など), ならびに精神・心理的な変化 (物忘れしやすくなった, 懐古的になった) を意識するものは, 45歳から50歳にかけて比較的多く観察された.2) 身体的な機能低下の後に, 精神・心理的な変化のみられることが, 概括的に観察された.3) 眼精疲労を意識する年齢は, 他の身体的な機能低下ならびに精神・心理的な変化を意識する年齢と高い相関関係を示した.4) 嗜好の変化を意識しているものは約10%であった.5) 眼精疲労を意識する年齢には, 居住地域, 職業, 性格などの影響する可能性が観察された.
著者
飯豊 紀子 森内 幸子 細谷 憲政
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.77-81, 1974-03-31 (Released:2010-02-22)
参考文献数
28
被引用文献数
2 2

下痢を誘発する限界以下にマルチトールを5人の男性被検者に経口投与した場合の, 血液成分に対する影響を観察してみた。マルチトールを体重kgあたり0.5gを水100mlとともに経口投与した場合の血液成分の変動を, マルチトール無添加の場合の早朝空腹時, マルチトールを7日間連続投与した後の早朝空腹時, さらにマルチトールを30日間連続投与した後の早朝空腹時について観察した。血糖値は5人の被検者のうち3人は投与1時間後の血糖値が20%前後の上昇を示した。 この場合血液中のマルチトール量は0.66-1.52 (平均1.08mg/dl) であった。 総たん白, A/G, 血漿の各たん白画分, チモール混濁試験, 硫酸亜鉛試験, C. C. F. コレステロール, クレアチニン, 尿素窒素, 尿酸, 電解質 (ナトリウム, カリウム, カルシウム, リン, クロール) 鉄, アルカリホスハターゼ, 酸性ホスハターゼ, コリンエステラーゼ, 血清アミラーゼ, GOT, GPT, 乳酸脱水素酵素, ロイシンアミノペプチダーゼを観察したが, マルチトールの投与による影響は観察されなかった。それゆえ, 下痢を誘発する限界量以下に正常人に経口投与した場合には血漿成分になんら影響を示さないものと考えられる。
著者
志村 二三夫 森内 幸子 細谷 憲政
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.159-163, 1975-05-31 (Released:2009-11-16)
参考文献数
15

小腸のCa吸収に対するリジンならびにD3の影響を観察した。白ネズミはたん白質をアミノ酸混合物に置き換えたD欠乏飼料を用いて飼育した。白ネズミ体重の増加はリジン1.35%・D3投与群が比較的良く, これに続いてリジン1.35%・D欠乏群であり, リジン0.45%投与群の体重増加は比較的悪く, さらにD投与による差異は, ほとんどみられなかった。反転腸管を用いる45Ca輸送能は, D欠乏状態ではリジンの含有量による差異はみられなかったが, D3投与による増大効果は, リジン1.35%投与群はリジン0.45%投与群に比して大きかった。十二指腸粘膜のCaBPにも, 同様の傾向が認められた。小腸の45Ca吸収に対するリジンの促進効果は, Dを介して発揮されるものと考えられる。
著者
森内 幸子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1115-1119, 1986-12-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
21
著者
森内 幸子 志村 二三夫 梨本 光太郎 細谷 憲政 小林 正
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.225-232, 1975-06-25

1α-OH-D_3の十二指腸における^<45>Ca輸送能並びに血清Ca濃度に対する効果を, 腎臓摘出D欠乏シロネズミを用いて観察した.312pmolの1α-OH-D_3を投与して24時間後の十二指腸における^<45>Ca輸送能の増大は, 腎臓摘出動物においても観察されたが, 血清Caの増大は擬似手術を施した群では観察されたが, 腎臓摘出動物においては観察されなかった.1α-OH-D_3の投与量を6,250pmolにして, はじめて血清Caに対する効果が腎臓摘出動物においても観察された.すなわち, 1α-OH-D_3は骨からのCaの溶出作用は弱いが, 小腸からのCaの吸収に対する作用は大きい.それ故, 1α-OH-D_3はDの代謝異常によるD不応性くる病の治療に有効な物質と考えられる.また, 小腸に対する作用と骨に対する作用に差異の観察されたことは, まだ発見されていない1α-25-(OH)_2-D_3以外の最終活性物質が腎臓で生成されて骨に対して作用することを示唆するものと思われる.