著者
植村 修二
出版者
日本雑草防除研究会
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.36-45, 2012 (Released:2013-10-08)

筆者が「帰化植物メーリングリスト」へ投稿した情報などをもとに,帰化植物の同定,侵入・定着の近年の特徴,定着後の分散についてまとめた。輸入物資を扱う貿易港やそれらが運ばれる工場などは,第二次大戦後非意図的に帰化植物が繰り返し集中して侵入したため「帰化センター」と呼ばれた。現在,「帰化センター」として機能する場所は激減したが,輸入緑化種子や園芸用土の夾雑種子,観賞用植物の逸出やマニアによる移植など侵入経路は多岐にわたり,帰化植物の侵入が広範囲にわたっている。定着後の分散事例としては,花が美しいため意識的に除草を免れて道路沿いに伝搬したナガミヒナゲシ,都市部や市街地の舗道に適応した路面間隙雑草や大規模開発に伴う造成地に広がる先駆植物となる帰化植物などが挙げられる。問題となる帰化植物の侵入,分散および繁茂に対しては,刈り取りを行うことで抑制することが有効な手段になりうる。
著者
長谷川 匡弘 石田 惣 松井 彰子 松本 吏樹郎 長田 庸平 初宿 成彦 植村 修二 和田 岳
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
自然史研究 = SHIZENSHI-KENKYU, Occasional Papers from the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786683)
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, pp.117-156, 2022-02-28

大阪府下から記録されている哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、魚類、昆虫類、その他無脊椎動物、コケ類、維管束植物について、主に明治時代以降に持ち込まれたと考えられる外来種を整理し目録を作成した。結果として哺乳類11種、鳥類12種、爬虫類3種、両生類2種、魚類45種、昆虫類・クモ類196種、その他無脊椎動物68種、コケ類3種、維管束植物種800種がリストアップされた。This list shows non-native species that are thought to have been introduced mainly after the Meiji era and were recorded in Osaka Prefecture. As a result, the following species were listed, Mammals: 11 species, birds: 12 species, reptiles: 3 species, amphibians: 2 species, fish: 45 species, insects and spiders: 196 species, other invertebrates: 68 species, mosses: 3 species, vascular plant species: 800 species.
著者
植村 修二
出版者
日本雑草防除研究会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.36-45, 2012-06

筆者が「帰化植物メーリングリスト」へ投稿した情報などをもとに,帰化植物の同定,侵入・定着の近年の特徴,定着後の分散についてまとめた。輸入物資を扱う貿易港やそれらが運ばれる工場などは,第二次大戦後非意図的に帰化植物が繰り返し集中して侵入したため「帰化センター」と呼ばれた。現在,「帰化センター」として機能する場所は激減したが,輸入緑化種子や園芸用土の夾雑種子,観賞用植物の逸出やマニアによる移植など侵入経路は多岐にわたり,帰化植物の侵入が広範囲にわたっている。定着後の分散事例としては,花が美しいため意識的に除草を免れて道路沿いに伝搬したナガミヒナゲシ,都市部や市街地の舗道に適応した路面間隙雑草や大規模開発に伴う造成地に広がる先駆植物となる帰化植物などが挙げられる。問題となる帰化植物の侵入,分散および繁茂に対しては,刈り取りを行うことで抑制することが有効な手段になりうる。
著者
今西 英雄 植村 修二 園田 茂行
出版者
園藝學會
雑誌
園芸學會雜誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.483-489, 1986
被引用文献数
2

1. くん煙あるいはエチレン処理により休眠打破を促した球茎と無処理の球茎とを用いて, 発芽試験, 球茎最上腋芽における葉の分化及び底部における根の出現の推移より, 球茎の休眠の様相を明らかにすると共に, これらの球茎を異なる時期より低温処理に移し, いつから低温感応が可能であるかを調べた.<br>2. 室温下に貯蔵された無処理の球茎では, 8月31日に最上腋芽で葉の分化が再開し, 引き続いて根の出現が認められ, この段階の球茎を14&deg;C下で置床すると速やかな発芽がみられた. これに対し, 無処理球に比べエチレン処理球では2週間, くん煙処理球ではほぼ6週間,より早い時期に同じ状態に達することが認められ, 両処理, とりわけくん煙処理による顕著な休眠打破効果が確かめられた.<br>3. このように休眠程度の異なる球茎を種々の時期より, 10&deg;C湿潤5週間の低温処理に移したところ, 低温処理終了時における発芽及び花芽分化は共にくん煙処理球で最も進み, エチレン処理球, 無処理球の順であった.これらの低温処理球の開花をみたところ, くん煙及びエチレン処理球ではそれぞれ8月17日, 8月31日低温処理開始において全個体開花し, 完全な低温感応が認められたが, 無処理球では最も遅い9月14日の処理開始でも開花率が86%にとどまった.<br>4. これらの結果, 低温処理開始可能時期は室温下に貯蔵した球茎の最上腋芽における葉の分化再開時期よりも2週以上遅く, 根の突起がほぼ全個体で認められた時期に一致することが確かめられた.
著者
植村 修二
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.36-45, 2012 (Released:2012-08-25)
参考文献数
38
被引用文献数
1

筆者が「帰化植物メーリングリスト」へ投稿した情報などをもとに,帰化植物の同定,侵入·定着の近年の特徴,定着後の分散についてまとめた。輸入物資を扱う貿易港やそれらが運ばれる工場などは,第二次大戦後非意図的に帰化植物が繰り返し集中して侵入したため「帰化センター」と呼ばれた。現在,「帰化センター」として機能する場所は激減したが,輸入緑化種子や園芸用土の夾雑種子,観賞用植物の逸出やマニアによる移植など侵入経路は多岐にわたり,帰化植物の侵入が広範囲にわたっている。定着後の分散事例としては,花が美しいため意識的に除草を免れて道路沿いに伝搬したナガミヒナゲシ,都市部や市街地の舗道に適応した路面間隙雑草や大規模開発に伴う造成地に広がる先駆植物となる帰化植物などが挙げられる。問題となる帰化植物の侵入,分散および繁茂に対しては,刈り取りを行うことで抑制することが有効な手段になりうる。