著者
楠 隆昌 武井 ゆりあ 大川 修 中谷 行宏 吉野 耕平 唐鎌 優子 並木 伸 竹縄 寛 芝 祐信
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.68-69, 2014-06-14 (Released:2014-06-21)
参考文献数
3
被引用文献数
1

Esophageal anisakiasis is a rare disease, accounting for about 0.2% of all cases of anisakiasis. A 26-year-old woman visited our hospital because of severe epigastric pain and heart burn several hours after eating pickled mackerel, which progressively worsened, and subsequently presented with fever. Contrast CT showed marked hypertrophy of the gastric wall and a significant edematous change in the lower esophagus, in addition to inflammation of the mediastinum. Upper gastrointestinal endoscopy revealed an Anisakis worm in the gastric corpus and lower esophagus. After removing it by endoscopy, her condition immediately improved. The present patient was complicated with mediastinitis. It was suggested that anisakiasis can become severe in an esophagus with a thin wall, as can be the case with the small intestine, where the worm may burrow in some cases. As in this case, we can achieve the marked amelioration of anisakiasis through the removal of worms. Thus we should perform endoscopy in the early stage. In addition, since some patients may ingest several worms of Anisakis, we should carefully check whether or not worms burrow in sites other than the stomach, where worms have already been identified.
著者
紀平 寛 田辺 康児 楠 隆 竹澤 博 安波 博道 田中 睦人 松岡 和巳 原田 佳幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.780, pp.780_71-780_86, 2005 (Released:2006-04-07)
参考文献数
42
被引用文献数
14 13

耐候性鋼の超長期にわたる腐食減耗予測法について研究を行った. さび安定化概念にもとづく思想を体系的に展開し, 腐食速度パラメータを推定するアルゴリズムや数式モデルの立案, 地域気象情報のデータベース化, 簡易な飛来塩分量および硫黄酸化物量の推定法などを策定した. 複雑な計算過程を容易に操作できるよう, 内桁条件における腐食減耗予測シミュレーションソフトウェアも開発した. 前記の思想展開により, 設計にて考慮すべき予測腐食減耗量を見極めるための工学的指標群を初めて具体的かつ体系的に整理・提案し, 長期耐久性の実現に関わる数多な構成技術要素保障項目の関連性を明確にした. 今後の進化へ向けて検討すべき点を明らかにしつつ, 現在までの進捗内容を詳細に報告する.
著者
楠 隆
出版者
医学書院
雑誌
公衆衛生 (ISSN:03685187)
巻号頁・発行日
vol.82, no.8, pp.606-610, 2018-08-15

はじめに アレルギー疾患の小児は,病気を抱えながらも,普段の日常生活を病院ではなく,家庭,学校,幼稚園,保育所など病院の外で過ごす.そこには,診察室の短時間の診療では見えてこないさまざまな悩みや問題点がある.これからの小児医療スタッフ,とりわけ小児アレルギーに関わる者には,病院でアレルギー児が受診するのを待っているだけではなく,病院を飛び出して日常生活の中にいる小児を捉え,問題点を抽出し,そこへ介入していく姿勢が必要である.そのためには,医師の診察のみでは不十分である.看護師,薬剤師,管理栄養士,さらには保健師,学校・園・保育所関係者,行政関係者などを幅広く巻き込んだ多職種連携が必要である. 幸い,わが国には,小児アレルギー疾患の専門知識と患者指導のスキルを習得する専門資格である小児アレルギーエデュケーター(pediatric allergy educator:PAE)制度があり,本資格を獲得した医療スタッフが全国で活躍している.本稿では,PAEの活動を軸にして,多職種による小児のアレルギーケアの実態と課題を考察する.
著者
楠 隆 是松 聖悟 中畑 龍俊 細井 進
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.15-19, 2002
被引用文献数
7

(目的)近年増加しているとされる学童期スギ花粉症(cedar pollinosis, CP)の実態を, 大規模疫学調査により明らかにする.(方法)京都・滋賀地域の小・中学校に通う生徒56,108人を対象として厚生省研究班の作成したアレルギー疾患疫学調査票を配布し, 回収し得た50,086人(回収率89.3%)のデータを基に解析した.(結果と考察)学童期のCP有症率は全体で5.2%となり, 年齢と共に上昇する傾向があった.誕生季節別の検討では, 秋生まれの児にCP有症率が多い傾向を認めた.農村部の多い京都府下北部地域と都市部の多い南部地域におけるCP有症率の比較を行うと, 明らかに南部地域で高い傾向を認め, 大気汚染をはじめとする都市環境がCP発症に影響を与えている可能性が示唆された.アトピー性皮膚炎及び喘息の有症者につき, 合併するCPの有無による重症度の差を見ると, アトピー性皮膚炎においてのみCP合併例で有意に重症例が多く, CP又はスギ花粉感作がアトピー性皮膚炎の病態に影響を与える可能性が示唆された.CPは, 従来小児期のアレルギー疾患としては必ずしも充分な検討がされて来なかったが, 今回の調査結果を踏まえて今後更に検討を重ねていく必要があると思われる.