- 著者
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田中 鉄二
樋口 輝久
馬場 俊介
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.1, pp.38-48, 2011 (Released:2011-10-20)
- 参考文献数
- 64
- 被引用文献数
-
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日々軌道を検査し,線路に発生する様々な異常を整備することが保線作業であり,保線なしで安全で快適な鉄道運転は成り立たない.輸送量の増加,速度の向上,使用機械及び材料の変化,さらには,鉄道事故や戦争の影響によって保線は変化し続けてきた.そこで本論文では,保線を行う際の規範となり,鉄道創業時から制定され続けている“規程”に着目し,鉄道創業時から国鉄の分割民営化後までの鉄道保線の変遷を明らかにしようとする.対象とした組織は,官設鉄道,国有鉄道そしてJRで,民営鉄道は除いている.まず,規程についての概略を述べた上で,保線に影響を与えた重要な出来事について整理し,作業,材料(レール,枕木,道床,分岐器)に区分して,その変遷を明らかにした.