著者
大森 健策 加納 光樹 碓井 星二 増子 勝男 篠原 現人 都築 隆禎 横井 謙一
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.18-019, (Released:2018-08-20)
参考文献数
64

Large-scale Japanese lakes support many fish species and abundant fisheries resources. However, long-term changes in the fish fauna of such lakes have not been fully investigated, despite recent significant anthropogenic impacts on associated ecosystems. Accordingly, the extensive native and non-native fish fauna of Lake Kitaura, a typical large inland-sea lake (36 km2) in eastern Japan, was investigated based on specimens collected by the staff of Itako Hydrobiological Station, Ibaraki University from 1977 to 1997, plus data from previous studies conducted since the 1950s. In total, 83 species in 35 families have been recorded from the lake from the 1950s to the present decade. The analyses of long-term changes in fish species data since the 1960s demonstrated a sharp decrease in marine, estuarine and diadromous species due to an estuarine barrage (Hitachi River floodgate) established in 1973, the disappearance of nine red-list species (e.g., threatened and near threatened species) following various artificial environmental changes from the 1960s to 1980s, and an increase in introduced exotic and Japanese species after the 1980s.
著者
横井 謙一 細谷 和海
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理学会会報 (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.1-14, 2003 (Released:2006-06-09)
被引用文献数
1

オガサワラヨシノボリRhinogobius sp. BIは, 小笠原諸島に固有な淡水魚である. 本種は開発にともなう生息地破壊や環境変化により数を減らしつつあり, 保護が急務となっている. 生息地保全に必要となる本種の分布や生息環境を調べた結果, 父島に加えて母島での本種の生息を確認した. 本種は河川の上流域の淵に多く生息していた. 両島から得られた個体群の形態的特徴について比較したところ, 母島の個体群は胸鰭条数や背鰭前方鱗数の変異が少なく, 父島個体群にくらべ遺伝的多様性が低いことが示唆された. これらの変異は, それぞれが独自の地域個体群を形成しているものと考えられた. 本種の保護には, 生息地保全や系統保存など, 包括的な保護施策が必要と思われる.
著者
横井 謙一 細谷 和海
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理学会会報 (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.1-14, 2003-12-12
参考文献数
23
被引用文献数
2

オガサワラヨシノボリRhinogobius sp. BIは, 小笠原諸島に固有な淡水魚である. 本種は開発にともなう生息地破壊や環境変化により数を減らしつつあり, 保護が急務となっている. 生息地保全に必要となる本種の分布や生息環境を調べた結果, 父島に加えて母島での本種の生息を確認した. 本種は河川の上流域の淵に多く生息していた. 両島から得られた個体群の形態的特徴について比較したところ, 母島の個体群は胸鰭条数や背鰭前方鱗数の変異が少なく, 父島個体群にくらべ遺伝的多様性が低いことが示唆された. これらの変異は, それぞれが独自の地域個体群を形成しているものと考えられた. 本種の保護には, 生息地保全や系統保存など, 包括的な保護施策が必要と思われる.