- 著者
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横川 美和
- 出版者
- 地学団体研究会
- 雑誌
- 地球科学 (ISSN:03666611)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.5, pp.370-377, 1998-09-25 (Released:2017-07-11)
- 被引用文献数
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堆積粒子の配列について,特にインブリケーションについての話題を中心に解説した.火星表面の映像に磯のインブリケーション構造が認められ,洪水の痕跡と解釈された.インブリケーション構造は流れに対して抵抗が少なくなるように粒子が配列したもので,礫浜や河川の礫床など私たちの身近なところにも普通に認められる.また,砂サイズの堆積物の中にも普通に見られる.インブリケーションを始めとして,堆積粒子の配列はパッキングとともに「ファブリック」と呼ばれ,堆積岩組織の一要素として位置づけられている.堆積粒子の配列は,地層から古流向を推定するために古くから研究されてきた.最近ではさらに,流体の性質や堆積粒子の輸送形態,堆積直前の動き等の推定に利用されている.このためにはパッキングなども含めた真の三次元組織を解析する必要があるが,これまで行なわれている粒子配列の測定方法では必ずしも充分とはいえない.真の三次元組織を調べるために,X線CT法などが試みられている.