著者
横手 靖彦 所 真理雄
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.582-598, 1985-10-15
被引用文献数
3

ConcurrentSmalltalkはSmalltalk-80に並行プログラミング能力を付加したプログラミング言語/システムであり,並行構文,アトミック・オブジェクト,および外部参照解決機構により,分散環境での並行プログラミングを可能にしている.本論文では,オブジェクト指向計算と並行プログラミングについて述べた後,ConcurrentSmalltalkの設計方針と言語仕様について,主に並行プログラミング機能を中心に述べている.最後に,ConcurrentSmalltalkの実装についても述べている.
著者
山下 貴典 横手 靖彦 岡村 英明 砂原 秀樹 尾家 祐二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.21-22, 1997-03-12

これからのコンピュータネットワークの形態として、携帯型端末、ゲーム機、NC、VOD System 等の計算資源の限られた組み込み型機が接続される事が予想される。このようなネットワーク上では・頻繁なシステム構成の変更・制限された計算資源での快適な実行・位置透過性、移動透過性の実現などに対応できる新しいソフトウェアアーキテクチャが必要となる。SONY CSL で開発中の OS Apertos は、オブジェクト指向基づいたアプローチによりこのような環境を実現しようとしているが、Apertos による分散環境への移行を促すには既存のユーザ環境の共存と開発環境の充実が欠かせない。本稿では分散環境実現のための手法としてのオプジェクト指向とそれに対する Apertos のアプローチについて紹介し、上述の課題を解決する手段の一つとしての Apertos Emulator とその実装法について述べる。
著者
伊藤 純一郎 横手 靖彦 所 真理雄
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.30-34, 1997-01-16

インターネットで現在利用されているIPv4プロトコルは,インターネットの爆発的成長に耐えられない,という指摘がある.このため,IPv6プロトコルが提案され,現在移行へ向けた考察が行われている.しかしながら,現在のルータソフトウェア構成法では,今後行われるプロトコル策定やプロトコルの仕様変更などに柔軟に対処することが困難である.本論文では,Apertosオペレーティングシステム上にIPv6ルータのプロトコル処理部を実装することで,これらの問題の解決を目指している.本方法では,並行オブジェクトによるソフトウェア構成によりプロトコル処理部のモジュール間の独立性を確保し,自己反映計算に基づくOSアーキテクチャの利用によりプログラマに最適なプログラミング環境を提供することができる.