著者
後藤 和子 横田 誠
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.120-121, 1991-02-25

我々は、楽曲が移調によって様々な音の高さで演奏されても、同じ曲であると認識する。逆に、同じ曲であっても、それぞれの声の高さで表現することができる。楽曲を"正規化"すれば、楽曲を移調によらない情報として扱うことができる。また、今回提案する方法によれば、正規化された情報から、具体的な音の高さを持った情報を作り出すことができる(このような操作を"脱正規化"と呼ぶことにする)。音程に関する正規化(第2節参照)と脱正規化は、人間の脳における音楽などの情報の処理の1つのモデルである。また、正規化されたパターンは、音楽などの情報が脳においてどのように表現されているかのモデルである。耳をボトム、脳において高次の処理を行なう部分をトップと見ると、正規化はボトムアップ処理であり、脱正規化はトップダウン処理と見ることができる。また、正規化された情報は、トップにおいて情報がどのように表現されているかを示している。今回は、長期記億器(正規化されたパターンを想起のためのキーとして、次の音に関する音程禰報を想起するもの)の存在を前提とし、この長期記億からのトップダウン処理モデルについて、基礎的考察を行なう。
著者
横田 誠 斉藤 浩徳 武子 政信
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.187-188, 1997-03-12

パタン化された問題空間を入出力系とする情報的感性対応の人工的システムの進化過程を考えている。一般化パタン系は, 絵画パタン系と考えている。絵画的パタンは, 画素パタンの連鎖パタン系である。又, 絵画パタン系には, 額縁のような, 境界条件の設定の有, 無の系がある。絵画パタン系の基礎系として, 矩形画素の連鎖系である, 抽象画系, モンドリアンパタン系が考えられてている。今回は, 矩形額縁ワク内の矩形画素連鎖系に対して, アルキメデスに由来する, アルベロス円列, すなわち円形額緑ワク内の円形画素の連鎖系の基礎的系について考える。感受や, 変形等の感性対応の人工的システムを考える前提として, その入出カパタン系を線路系と考え, 数理的接続特性を考える必要がある。その上で, 表情とか, 説明・案内効果等を考えることになる。
著者
横田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, pp.512-513, 1997-03-06

人間は, 古来, 分業的に問題空間に対処して生きて来た。そこで, 基礎として生物的に生き, そしてより本質的には, 情動的に生きている。今回は, 一般化された伝送工学系である伝子工学の立場から, 情動的生に主眼を置いて, 複雑系としての問題空間への対応の為の, 基礎系について考える。人間は, 有形無形の道具を開発, 進化させることによって, 意識空間の規模を拡大して来た。近時, 生物・化学的系統を加味した, 電気的(線路・回路)システムが, それに関する言語的系統と併せて, 進化し, これが, ほとんどの全分業分野に, ほぼ必須的に関わりを持つようになった。今回は, 伝子工学の背景にある, 数物理哲学(生物・化学的科学系をも含む)的系統と, 特に, これと相補する, 情動的生の哲学的系続について考えることにする。絵画的あるいは, 音楽的パタン系のような, 呈味系に対する, 情報的感性対応のシステム等を考える際, その複雑系としてのシステムの背景にも, それにかかわる人間の人格的特性が重要であることを, 実感する。カントやウイトゲンシュタインの, 天才的業績も, それにもまして, 尊敬惜くあたわざる人格的生, 言動があったれぱこその感がする。今回は, 複雑系としてのシステム対応系として, 将来吟味したい, 奈良平安時代に確立したと思われる, 中観系(縄文以来の神観, 儒教・仏教的系)的対応に対する, 相補的な系としての西教的(聖書的約束的系)を背景とした, 西欧哲学系統に立ち入る。特に, 感性哲学系を中心に, 以前からの, 伝子工学的立場でのプラトンやウイトゲンシュタインとの結びつきの吟味を背景に, デカルトの「方法序説」的な複雑系対応と, そしてとくに, 西欧哲学の中核としてのカントの三論(三個の批判哲学)的対応を考える。
著者
横田 誠 加藤 佳仁 横山 未希子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06
被引用文献数
1

数理的形状を感受するのに, ピタゴラスの意味の整数比関係, プラトンの意味の接続関係, そしてアリストテレス, ユークリッドの論理関係の基礎的系もあるか, それ等はどちらかといえば絵的感受系で, これに対する, もう一方の基礎系である音楽的感受といえば, 指数関数関係, そして, 12音平均律系の枠組みの上で考えられるのが現状である。問題空間としての呈味パタン系は, 相という表情を呈する。今回は, 楽曲パタン系が, それぞれ楽曲的相をもっているとして, それが又, それぞれ相を持つの成分部分曲の連鎖系であるとして考える。ここで, その相については, 伝子工学 (一般化された伝送工学) における対キーワード系の一組である,「活性」・「厚生」系の立場で考えることにする。
著者
横田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, pp.476-477, 1995-03-27

この世は,人間を主体系として,本体系である自然系と人工系から成っている。これ等は全て,伝送工学を一般化した伝子工学での立場からは,その互いに相補的概念である「線路」と「回路」そのものである。人類は何段かのルネッサンスを経て,現在に生きている。特に現代は,地球ガイアの枠組の上で,個々の生と,その集団の生について,古くからの良きことのルネッサンスと云うことで,より本質的な世界を捉えることになったことに特徴がある。それは,空間移動能力の拡大による意識空間の拡大もあるが,テレコミュニケーションを中心とした意識対応の人工システムの進化過程にのった意識空間の拡大にこそその特徴がある。ここでは[数理伝送][生物物理]を背景に,人間系の個体的,集団的特性を,その生成モデルを,感性対応システム(音楽・絵画等の情報的系と,味覚・痛覚等の生物的系での),その外部系としての景気変動空間系,その生成システムとしての市場交渉的システム・言語約束系等を取り扱うことになる。
著者
横田 誠 加藤 佳仁 横山 未希子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.365-366, 1995-03-15

情報的パタンの内に音楽的パタンがある。音楽的パタンを認知したり,演奏したり,創作したりする,パーフォームするシステムを,音楽的ニューラルネット的システム:MPNとして考えている。音楽的パタン系は,先ず正規化楽曲パタンとして,MPNに取り込まれる。今回は,主旋律パタンの,考えられる種々のデフォルメである,ポリフォニー系の一つとして,伴奏的パタン系の,MPNへの取り込みについて考える。
著者
横田 誠 薦田 幸一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.327-328, 1991-02-25

近頃,主に物理系で問題化している人間原理に関して,伝送工学の立場で考えて行こうしている。今回の絵画パタン等は,楽曲パタンと同様に,確かに物理的線路空間の問題あって,これ等のパタンの形成と認識は従来,主に人間にのみよってなされて来た。これ等性の問題に対して,部分的ながら人間に代行する人工のステム回路を考える事態に立ち至ている。ここで基本的イデアとしは,人間あるいは,そのモデル回路が物理的パタンを産出、形成し、且それ等を認識するということが,そのモデル回路とそれに対時する物理的タンが共通の因子を内蔵するということが基にあるということをとる。このような観点から、従来のTEMにおける伝送工学の基本的イデア対であ「線路」「回路」を生物系,人文系とも学際的に整合とる必要から、伝子工学として一般化,特に今回は人間の情報的パーフォーマンスの基本として,絵画環境の形成と認知に関する「線路」「回路」について考えてみた。線路系には電話線のような「沿線」系と,アンテナとしての「射線」系があり,楽曲パンは「沿線」系であり、今回の絵画パタンは「射線」系である。TEM系の線路系の基礎,単相伝送の線路長l=λ/4の,いわゆるue(:unit element)であり,その系はueの分布措置集合である。この分布電気通信大学措置集合は、一般に相互直交関係にある「沿線」系である衡伝送(b)系と,「射線」系である不平衡伝送(u)系との混在系である,これから絵的に放射され,これが人間の外皮系(ここでは視覚系の一次入力端子としてのンテナ系としての眼球系)を通して,中皮覚系を経由して,内皮(大脳皮質系)に至り,絵画的認謝され、絵画的創作等のバーフォーマンスに結びついてゆく。ー方,このような感受系の(部分的ながら)人工回路系を考えゆく為に,これと共通内蔵の因子としての入力系,この場合の絵画的線路系を,味覚的素子としての分類の必要が出てくる。赤,青等を,白絵画的原子として,これ等が絵画的分子的に画面に分布配置され,絵画的(意)味を供するとして,どのような分子構造が,それに相当するかを考える。ここで絵画系の源系系と元型系を考える。今回の「モンドリアン系」は人類の絵画史上,西欧的ルネッサンスの延長上、近世日本美術の抽象化の影響下の印象派のある種の帰結と考えられる。これは源系系的見地であるが,もう一方の,元型系としては幾何学的と心理学的方向が考えられる。幾何学的としては、ノンメトリックとメトリックが考えられる。形成された絵画パタンは色彩面素のワク内分布系であるが,これに取り組むのに2通りあって,1つは全体を2分割することから複雑多分割を進め基礎的パタンの集合とする方向,もう1つは,画面の1部点あるいは複数部点の,局部的基礎的パタンの成長系と見る方向が考えられる。モンドリアンが残した習作では,その成分の叉点(交差点)がT分岐と十字分岐のみからなっている。今回は,これを一般化して,加えて延長(-),鈎型(L)を含めた系としたものを考えた。そして今回のは;このように,一般の曲線交叉や斜線交叉でない,直角交叉メッシュ系に属するものである。アミダ・メッシュとか楽曲パタンの乗る5線譜様のMM(ミュージカル、メッシュ)等も直交メッシュ系である。但しこれ等の例は「沿線」系であり,これ等の一般系はデダール(迷路)系である。この線路パタンを絵画パタンととしても受け取ることも可能で,特に各区画面に彩色を施せばそれ等は一般的モンドリアン系に含まれることになる。ここで問題はマクロ的画面分割,ミクロな部分核画素に関して,いかに原子的絵画パタンと,その結合系としての絵画的(意)味を与える分子的絵画パタンをを抽出し,そして,これを味覚する代行の回路の建設に向かうことになる。