著者
岩田 義弘 長島 圭士郎 服部 忠夫 寺嶋 万成 清水 雅子 木原 彩子 三村 英也 堀部 晴司 岡田 達佳 加藤 久幸 櫻井 一生 内藤 健晴 大山 俊廣 戸田 均
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6Supplement2, pp.S128-S135, 2007-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
9

誤嚥はみられないが、嚥下時に咽頭-喉頭に異常感を訴える4名の高齢者に、症状の改善を目的に、訓練を行った。咽頭食道透視にて訓練を行った前後の比較を行った。訓練は対象者に下顎を胸の方向に強く持続牽引してもらい、施術者が頤部に手を固定し用手的に、下顎を短時間伸展するように牽引した。この操作により、2名において造影剤の通過時間の短縮がみられた。またこの訓練により、4例とも安静時の甲状軟骨の位置が高くなった。また軟口蓋の咽頭閉鎖も改善がみられた。簡易な訓練ではあるが、低くなった喉頭の位置の改善とそれによる誤嚥抑制の効果が期待された。
著者
浦野 誠 吉岡 哲志 加藤 久幸 堀部 兼孝 日江井 裕介 油井 健宏 岡田 達佳 櫻井 一生
出版者
日本頭頸部癌学会
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.443-447, 2014-12-25 (Released:2015-01-08)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

症例は40代,女性。右耳内違和感を主訴に受診。術前約20ヶ月の間に,頻回に再発を繰り返す右外耳道腫瘤に対して計6回の生検が施行された。1~4回目では粘液を有する炎症性肉芽様組織と病理診断し,経過観察をされていた。経過中に耳下部腫脹は認めなかった。5回目の生検で悪性腫瘍の可能性を疑い,その後CTで右耳下腺に腫瘍が存在することが判明し,外耳道を含む拡大耳下腺全摘術が施行された。手術検体の病理組織像では,耳下腺上極に発生した低悪性粘表皮癌が上方に進展し,軟骨部外耳道の「サントリーニ裂溝」を穿通して外耳道へ進展していた。本例は,臨床的および病理学的に終始外耳道病変と認識されていたことで,生検組織を長期間にわたり奇異な粘液性上皮構造を含む炎症性肉芽と判断し,耳下腺腫瘍の存在を早期に認識することが困難であった。まれではあるが,本例の様な耳下腺腫瘍の非定型的な外耳道方向への進展形式について注意を払うことが必要と思われた。
著者
岩田 義弘 寺島 万成 長島 圭士郎 服部 忠夫 堀部 晴司 岡田 達佳 櫻井 一生 内藤 健晴 大山 俊廣 門山 浩 戸田 均
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.Suppl.2, pp.S195-S201, 2010 (Released:2011-12-01)
参考文献数
9
被引用文献数
2

われわれは下顎を支え前頸部舌骨上下筋群と胸鎖乳突筋に等尺性収縮の運動負荷を短時間に行うことにより嚥下機能の改善につながることを報告してきた。等尺性収縮は短時間での筋力増加が期待できる訓練手技であり、この訓練を高齢者 11 名 (60 - 88 歳) に毎食事前 4 - 6秒 3 回ずつ、自分自身で行い、2 - 4週間後にその効果を確認した。結果、repetitive saliva swallowing testは訓練前平均 2.7 (± 1.2) から訓練後 6.2 (± 1.6) と変化した。頸部側面単純レントゲン撮影では頤 - 舌骨間が11.1%、頤 - 甲状軟骨間が 8.4%短縮した。胸骨 - 甲状軟骨間は12.0%延長した。年齢とともに胸骨に近づいた舌骨・甲状軟骨の位置はこの訓練により頤に近づいた。このことは嚥下運動の開始が早くなり誤嚥防止に役立つと考えられる。舌骨・喉頭周囲の筋力増強を目的とした嚥下訓練は確立されたものは少なく、本手技は高齢者の嚥下機能改善に寄与することが考えられると同時に手技が簡便で短時間での効果発現が見込まれるため各種嚥下障害への応用が期待される。
著者
油井 健宏 加藤 久幸 岡田 達佳 櫻井 一生 山本 直樹 内藤 健晴
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.255-260, 2012 (Released:2013-11-01)
参考文献数
21

HPV 関連中咽頭癌は HPV 非関連癌に比べ、化学療法や放射線療法に高感受性で予後良好である。今後、HPV の検出が中咽頭癌の治療効果予測や治療方針決定に対する有用なバイオマーカーとなり得る。今回、68 例の未治療中咽頭癌のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックからの最適な HPV 検出法とその手順の探索を行った。方法はリアルタイム PCR 法でハイリスク型 HPV の 7 亜型の検出、In situ hybridization 法 (ISH) で HPV 16/18 DNA の検出、免疫組織化学検査で p16 の発現を検討した。HPV 陽性率はPCR、ISH、p16 で各 37、32、44%、PCR で HPV 陽性 28 例の内訳は、16 型が 26 例 (93%)、56 型 1 例 ( 4%)、58 型 1 例 ( 4%) であった。3 種類の検出法のうち 2 種以上が陽性のものを真の HPV 陽性と仮定すると、感度と特異度は PCR (92%、93%)、ISH (92%、100%)、p16 (100%、86%)で、陽性的中率と陰性的中率は PCR (88%、95%)、ISH (100%、96%)、p16 (80%、100%) であった。HPV 検出法として、まず p16 でスクリーニングを行い、p16 陽性例に対し ISH で確定診断する方法が至適と考えられた。