- 著者
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正木 宏幸
- 出版者
- 国際学院埼玉短期大学
- 雑誌
- 研究紀要 (ISSN:02896850)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, pp.109-113, 2008-03
近年,食中毒は多くの特徴がみられる。この特徴を究明する目的で,埼玉県と全国で発生した食中毒の推移を比較した。昭和51年から平成17年までの30年間について,その流れを迫った結果,埼玉県での食中毒発生件数は年間8〜34件であり,患者数は年間147〜3924人であった。全国での食中毒発生件数は年間550〜3010件であり,患者数は年間20933〜46327人であった。また,埼玉県では,1事件当たりの患者数平均が50人以上となる年は30年間に10回あった。埼玉県における主な食中毒関連事例の変遷は,昭和54年,浦和市中・中学校発生のサルモネラ下痢症に始まり,平成13年,食品関連および集団胃腸炎からのSRSV(平成15年からノロウイルス)多発と,10事例が多様化して発生している。