著者
武久 康高
出版者
比治山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、戦後台湾のサブカルチャーの分野において、「桃太郎」がどのように表現され、いかなる意味を担っていたのか調査したものである。結果、1960年前後には「桃太郎」が反共政策へと利用され、また、新たな物語を創造するための素材となっていたこと、1970年になると、「日本」との関連を示すために使われていることが分かった。一方、戦後日本で新たにつくられた「桃太郎」は、旧植民地の存在を忘却した上で成立していたことを指摘した。