著者
加我 宏之 田川 圭佑 武田 重昭 増田 昇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.375-380, 2013-10-25 (Released:2013-10-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

本研究では、文献とヒアリング調査から昭和初期に開発された大美野住宅地における計画特性を明らかにし、現在まで受け継がれてきた景観資源を抽出した。写真投影法を通じて、生活者が捉えた大美野らしい景観を明らかにし、現在まで受け継がれてきた景観資源の風景的価値を探った。結果、カイヅカイブキの生垣が連続した景観、大美野会館や福富稲荷神社を背景に中央ロータリーと噴水を中心に捉えた景観は、大美野を代表する景観としての価値が高い。小学校の景や曲線道路の景、趣のある大規模戸建住宅の景、庭木のサクラの景も大美野をよく知る人、最近住み始めた人とともに風景的価値が高いことが明らかとなった。
著者
武田 重昭 西川 文香 加我 宏之 下村 泰彦 増田 昇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45.3, pp.787-792, 2010-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
10

本研究は屋外空間の利用実態を把握することで、ニュータン再生のための屋外空間のあり方を考察するものである。泉北ニュータウンの1小学校区内に存在する集合住宅の屋外空間と街区公園及び緑道の利用実態を把握した。それらの空間における利用形態別に利用内容と利用者属性の視点から考察し、それぞれの屋外空間の利用のされ方の特性を把握した。この結果から地域内でのオープンスペースが機能に応じて使い分けられていることが確認できた。それぞれのオープンスペースの利用特性をうまく活用し、それらのネットワークを図ることや利用の多様化が増すような改修を行っていくことが重要であることが明らかとなった。
著者
武田 重昭 玉井 一生 加我 宏之 下村 泰彦 増田 昇
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.749-754, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
9
被引用文献数
3 5

About half a century has passed since management activities were begun in Senboku Newtown, and local associations are expected to play a leading role in maintaining and managing its local environment for the future. This study aims to clarify the development of management activities which local associations have conducted under Sakai City’s “Minami Ward Project to Promote Development of a Community with Flowers”, by using two different viewpoints, collaboration with locals and an expansion of its local involvement. The study found that a neighborhood center served as an important base for management activities. It also revealed that, although a systematically-designed network of green space did not seem to fully contribute to the development of activities, parks and open spaces next to a neighborhood center were an important factor in the spreading of management activities in the community. In addition, the study revealed that collaboration with locals not belonging to a local association was significant in the spread of local involvement in the community, and that activities other than community gardening activities developed wider collaboration with locals.
著者
服部 美樹 松尾 薫 武田 重昭 加我 宏之
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.5-8, 2020 (Released:2020-07-25)
参考文献数
8

本研究では、尼崎中央公園の噴水広場にて着座設備を導入する社会実験を実施し、滞留者の交流行動にどのような影響があるのかを探った。 社会実験は、2019年10月〜11月に実施し、着座設備は、噴水に沿って配置した円弧型、1箇所に集中して配置する集中型の2通りで配置し、行動観察調査を通じて、交流行動(同行者・他者との交流行動)の発生状況を把握した。 その結果、着座設備を導入した社会実験時には、噴水周辺と比べて着座設備の方が単独行動の「飲食」、同行者交流行動の「話す」や他者交流行動の「見る」の割合が高く、特に、噴水周辺と着座設備との間での「見るー見られる」の関係、集中型では他者との会話の発生が確認でき、着座設備の導入が滞留者の交流行動を誘発させる可能性があることが分かった。
著者
武田 重昭 神崎 澪妃 加我 宏之 増田 昇
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.28(第28回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.349-354, 2014 (Released:2014-12-03)
参考文献数
11

近年,本研究では,旅が大衆化した江戸期の名所案内記の中でも,はじめて観光モデルルートが掲載された「京城勝覧」を対象に近世京都における観光特性を明らかにすることを目的とした。本文に記載されている17 日間の案内文から,観光対象およびそれらの順序,観光対象についての説明内容を抽出して分析した。観光特性は,短距離で観光拠点が多い巡覧型,中距離で観光対象の少ない散策型,長距離で観光拠点が少ない遊山型,長距離で観光対象が多い周遊型の4つのタイプに分類でき,各タイプにおける人工物と自然物を調和させた観光特性が確認できた。