著者
水島 公一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.48-50, 2021-01-05 (Released:2021-01-05)
参考文献数
1

ラ・トッカータ あの研究の誕生秘話リチウムイオン電池の始まり
著者
内藤 勝之 水島 公一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1986, no.3, pp.306-311, 1986

1, 6-ジブロモ-2, 4-ヘキサジインは真空下加熱することにより重合して, 共役系ポリマーを生成する。ポリマーはジメチルスルホキシド(DMSO)やテトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒に可溶であり, 薄膜状に成形できる。ポリマーはアクセプター性が強く, アンモニアやテトラチアフルパレン(TTF)などのドナーと電荷移動錯体を形成し, その電気伝導度は10<SUP>-1</SUP>S・cm<SUP>-1</SUP>といちじるしく増加する。しかし, ヨウ素やテトラシアノキノジメタン(TCNQ)などのアクセプター添加では電気伝導度はあまり増加しない。ポリマーの電気伝導度におよぼす温度, 圧力, ドーピング時間などの効果について検討した。他の置換ジアセチレンボリマーについても検討し, アクセプター性の原因として, ポリマーの主鎖にプラス電荷が存在する共鳴構造の寄与を提案する。ポリ(ジアセチレン)のアクセプター性, ドナー性は置換基を変えることにより制御でき, 置換基の種類とアクセプター性, ドナー性の関連およびポリマーとドーピング剤との関連について統一的に解釈する。