- 著者
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内藤 勝之
水島 公一
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学会
- 雑誌
- 日本化学会誌
- 巻号頁・発行日
- vol.1986, no.3, pp.306-311, 1986
1, 6-ジブロモ-2, 4-ヘキサジインは真空下加熱することにより重合して, 共役系ポリマーを生成する。ポリマーはジメチルスルホキシド(DMSO)やテトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒に可溶であり, 薄膜状に成形できる。ポリマーはアクセプター性が強く, アンモニアやテトラチアフルパレン(TTF)などのドナーと電荷移動錯体を形成し, その電気伝導度は10<SUP>-1</SUP>S・cm<SUP>-1</SUP>といちじるしく増加する。しかし, ヨウ素やテトラシアノキノジメタン(TCNQ)などのアクセプター添加では電気伝導度はあまり増加しない。ポリマーの電気伝導度におよぼす温度, 圧力, ドーピング時間などの効果について検討した。他の置換ジアセチレンボリマーについても検討し, アクセプター性の原因として, ポリマーの主鎖にプラス電荷が存在する共鳴構造の寄与を提案する。ポリ(ジアセチレン)のアクセプター性, ドナー性は置換基を変えることにより制御でき, 置換基の種類とアクセプター性, ドナー性の関連およびポリマーとドーピング剤との関連について統一的に解釈する。