著者
水野 浩二
出版者
北海道大学哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:02872560)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1-17, 2002-07-21
著者
水野 浩二
出版者
北海道大学哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:02872560)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.81-87, 2003-07-20
著者
水野 浩二
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.32, pp.94-103, 1982-05-01 (Released:2009-07-23)

デカルトは、「第三省察」及び「第六省察」のなかで、イデア (idea,idée) についての或る理論を提出している。それは、一般に、「表現的観念 (idées représentatives) 」の理論と呼ばれているものである。その理論によれば、「観念」は、私自身を、物体的事物を、神を、表現する。更には、天使を、動物を、私と同類の他の人間を、表現する (AT. VII, pp. 42-43.Alq. II, p. 441)。デカルトにとっては、我々が志向している対象そのもののなかにあると思われるものは、観念そのもののなかに、対象志向的に (objectivement)、すなわち表現によって (par représentation) ある、と言える。デカルトは、対象志向的・表現的「観念」(意識内容)から出発して、実在的・現実的世界を捉えようとする。それがデカルトの方法であった。超感性的原型としてのプラトンのイデアは、デカルトに至り、人間の意識内容として捉え返された。今や、内なる「観念」と、外界の事物との関係が問題となる。デカルトは、ジビーフ宛の書簡において、「私は、私の内部にある観念を介して以外に、私の外部にあるものについてのいかなる認識をも持ち得ない」と述べている。ところで、問題は、「観念」が事物を表現することができるか否か、という点にあるように思われる。というのも、もし、「観念」が事物を表現することができないのなら、内なる「観念」から出発して、外界に向かおうとするデカルトの方法は挫折せざるを得なくなるから。さて、デカルトの論駁者のひとりのガッサンディ (P. Gassendi) は、「観念」の表現的性格を否定する.そのことは.ガッサンディがデカルトの方法を根底から覆していることを意味する。本稿では、こうした、デカルトの「観念」をめぐるガッサンディの批判を吟味することを、課題とする。ガッサンディのデカルト批判を検討することは、単にガッサンディ自身の哲学を解明することになるばかりか、デカルトの基本的立場を再確認させてくれることにもなり、更には、十七世紀後半以降の哲学史の流れに対するひとつの見取り図をも提供してくれることになる、と思われる。
著者
水野 浩二
出版者
札幌国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

2年間の研究成果は、論文3本、翻訳(部分訳)2本、研究発表2本である。まず論文。(1)「倫理的規範と人間的実践-遺稿《倫理と歴史》(コーネル大学講演)についての研究(1)-」では、一九六五年のサルトルの講演原稿をもとに、倫理的規範(日常生活において一貫している命令的構造)の特質、倫理的規範と人間的実践とのかかわり(規範を人間化する可能性)について検討した。(2)「「全体化するものなき全体化」について」では、遺稿『弁証法的理性批判』第二巻を中心に、全体化としての歴史には個人の実践があるのだが、歴史をひとつの集合体としてみた場合、歴史は個人の意識や意志を超えているように見えるところから、いったい誰が歴史を作ったのか、歴史とは、全体化するもの(作る主体)がいない全体化なのではないのか、という問題を検討した。サルトルによれば、ひとつの真理とひとつの可知性を備えたひとつの人間の歴史が存在する、という。ということは全体化するもの(歴史を作るもの)は存在することになる。しかし、それは単なる個人ではない。共同的個人である。(3)「「具体的なもの」とサルトル哲学」では、サルトルにも影響を与えた、ジャン・ヴァールの『具体的なものへ』(1932年)に触発されて、サルトル哲学を「具体的なもの」というキーワードをとおして読み直してみた。その結果、「具体的倫理」、「具体的普遍」、「具体的なものの水準としての歴史」といった言葉をとおして、サルトル哲学が、具体的なものへの運動の流れに沿ったものであることが判明した。次に、翻訳であるが、(1)ヴァールの『具体的なものへ』のまえがきと序論を訳出し、(2)遺稿『倫理学ノート』の一部を訳出した。最後に、研究発表であるが、論文の(1)を仙台の「現象学を語る会」で口頭発表し、翻訳の(2)を日本サルトル学会で口頭発表した。
著者
佐藤 宏之 堀川 桂太郎 及川 利直 水野 浩二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.23, pp.49-54, 1997-03-06
被引用文献数
3

現在,我々は協調学習ナビゲーションの研究を進めている.これは,WWWを利用して学習した際の履歴を学習グループで協調利用することを可能にする.本稿では,協調学習ナビゲーションについて,学習者に提供するインタフェースの観点から述べる.WWWを用いた学習実験を行ない,学習パターンを分析して,先に学習した者の活動履歴を教材として利用するために必要な学習履歴マップの作成方法を提案する.さらに,協調学習ナビゲーションのコンセプトを実装したWWW上で動作するシステム,CoNAVIを説明する.CoNAVIはJava言語で記述され,標準的なWWWブラウザ上で動作するナビゲーションインタフェースを学習者に提供する.これにより,インターネット上のグループが教材を共有・拡張する作業を通して,インタラクティブに学習することができるようになる.We are studying collaborative learning navigation. It enables members of learning group to share and use history of learning on WWW cooperatively. In this paper, We describe collaborative learning navigation method from the viewpoint of user interface. We experiment on learning using WWW, and analyze pattern of it. Then, we propose how to make a learning map used as tutorial materials from the history of leaning. Furthermore, we realize collaborative learning navigation concept as CoNAVI system. CoNAVI is implemented by Java language. It allows members of learning group to use navigation interface which works upon standard WWW browser. As a result, each member on the Internet is able to study interactively, sharing and enlarging tutorial materials.