著者
永井 聡子 ナガイ サトコ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.17, pp.107-116, 2017-03-31

舞台作品とそれを観る者―見せる者と見る者の場が有機的に結びつけられ上演されるということは、そこに劇場が舞台作品との間の関係性だけでなく、地域の文化において劇場がどのようにあるべきなのかということと関係している。劇場の近代化の過程における舞台と客席は、帝国劇場(1911)や築地小劇場(1923)で劇的変化を遂げるとともに演劇史、劇場史上においても画期的な視点を獲得していた。本論では舞台論と観客論に言及するため、劇場における芸術の捉え方を、舞台と観客との境界領域に焦点を絞り考察する。取り上げる資料は、アドルフ・アッピア、小山内薫など実践的な場に関わった演劇人の言説と、帝国劇場建設から築地小劇場建設を経て間もない昭和7年刊行『演劇学研究』所収の外山卯三郎論文「演劇学の対象と方法論的限界」を手掛かりに、劇場における「象徴領域」を内包する演劇の特質と劇場を拠点とする文化形成について考察することを目的としている。
著者
永井 聡子 清水 裕之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.513, pp.135-142, 1998-11-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

From the latter Meiji era to the beginning of the Showa era, the space between stage and auditorium goes foward two dipromatic directions in Japanese theatre with getting of the high position in the process from a diplomacy to an amusement than before. These directions in the Kabuki theatre begin with Shingeki. Kabuki theatre and Shingeki theatre have different ways each other. That is synbolized by Hanamihci, Lighting of FOH(front of house) and kuppelhorizont.
著者
永井 聡子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.91-96, 2011

本稿は、平成21年度静岡文化芸術大学「学長特別研究費」および平成22年度創立10周年記念特別公開講座(公演)ミュージカル・ドラマ「いとしのクレメンタイン」の初演制作と公演(平成22年12月17日(金)・18日(土)の2日間)の成果としての報告であり、制作過程における記録である。 公演は、本学が舞台芸術作品を自主企画制作して学生への教育とするとともに、一般公開することによって、地域における文化環境創造へのトライアルを目指し、「大学劇場」の役割とその可能性を探った。学生が舞台に様々な角度で関わることで舞台制作の動きを現実のものとして学ぶこと、大学の講堂を使用することによって学生が講義の場合と同様、日常的に教育を受ける場を与えることを意味する。 舞台芸術を学ぶ学生には、「地域に根差した創造的な」劇場運営の柱ともなるこれからの担い手として、また地域そのものの文化力向上を担える人材として育っていくことを期待するものであった。
著者
永井 聡子 清水 裕之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.487, pp.79-86, 1996
参考文献数
17

This study is an attempt to clarify the relation between stage and auditorium in Adolphe Appia's theory of "LA MISE EN SCENE". Appia aimed at an unity between them. His idea cleared through Bayreuth festspielhaus and developped into the new step by experiencing Dalcroze method, eurhythmies in 1906. From the architectual point of view, there are two point about the unity; 1) proscenium arch 2) the side wall of the auditoium At the bottom, there are his concideration of the living body; actor and audience. New space appeared by the connection among body,lighting and space baced on the rhythm.
著者
永井 聡子 ナガイ サトコ Satoko NAGAI
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.15, pp.67-72, 2015-03-31

帝国劇場における「貴賓席」は舞台と客席を繋げる前舞台領域に存在し、両者の関係性を提示している。本論文では、劇場の近代化の過程において議論となった舞台と客席の前舞台領域における関係性を考察するため、1911年に開場した帝国劇場とその劇場建設のモデルのひとつとなったパリのオペラ座(ガルニエ設計)を例に、当時設けられた「貴賓席」の配置について考察する。考察の方法は、劇場に関する当時の資料、劇場関係者の言説を中心として論じる。"The royal box" in the theater:Teikoku gekijyo exists in the proscenium domain to connect the stage and a seat with and shows the relationship of both. I consider the placement of "the royal box" where Teikoku gekijyo and one of the models of the theater construction and the opera house (Garnier designed) of Paris where it was which opened in 1911 were established for the example in those days to consider the stage and the relationship in the proscenium domain of the seat that became the argument in a process of the modernization of the theater in this article. I discuss the method of the consideration mainly on the document about the theater.
著者
永井 聡子 ナガイ サトコ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.17, pp.107-116, 2017-03-31

舞台作品とそれを観る者―見せる者と見る者の場が有機的に結びつけられ上演されるということは、そこに劇場が舞台作品との間の関係性だけでなく、地域の文化において劇場がどのようにあるべきなのかということと関係している。劇場の近代化の過程における舞台と客席は、帝国劇場(1911)や築地小劇場(1923)で劇的変化を遂げるとともに演劇史、劇場史上においても画期的な視点を獲得していた。本論では舞台論と観客論に言及するため、劇場における芸術の捉え方を、舞台と観客との境界領域に焦点を絞り考察する。取り上げる資料は、アドルフ・アッピア、小山内薫など実践的な場に関わった演劇人の言説と、帝国劇場建設から築地小劇場建設を経て間もない昭和7年刊行『演劇学研究』所収の外山卯三郎論文「演劇学の対象と方法論的限界」を手掛かりに、劇場における「象徴領域」を内包する演劇の特質と劇場を拠点とする文化形成について考察することを目的としている。
著者
永井 聡子 ナガイ サトコ Satoko NAGAI
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.15, pp.67-72, 2015-03-31

帝国劇場における「貴賓席」は舞台と客席を繋げる前舞台領域に存在し、両者の関係性を提示している。本論文では、劇場の近代化の過程において議論となった舞台と客席の前舞台領域における関係性を考察するため、1911年に開場した帝国劇場とその劇場建設のモデルのひとつとなったパリのオペラ座(ガルニエ設計)を例に、当時設けられた「貴賓席」の配置について考察する。考察の方法は、劇場に関する当時の資料、劇場関係者の言説を中心として論じる。
著者
永井 聡子 ナガイ サトコ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.18, pp.97-104, 2018-03-31

地域の劇場とは何か。我が国の文化創造の拠点としての公共劇場において、「芸術」や「文化」についての論議や、「観客」についての論議は必須である。上演ジャンルをリードするものとしての劇場が必要であるという認識がないことが問題なのであり、それは劇場運営や劇場建設に大きく影響している。筆者は、『劇場の近代化』(思文閣出版、2014)の中で、演劇のジャンルが劇場空間と切り離せないその系譜を「帝国劇場」「築地小劇場」「東京宝塚劇場」の3劇場の近代化に劇場の本質的意義があるとして、演劇史との境界領域から論じた。むしろ芸術作品をリードするのが劇場で、その先に劇的世界が構築される。こうした立場から本論では、筆者が2つの劇場で企画・制作した新作舞台を事例に、演劇人、劇場人の言説を資料として、観客を能動的にするための地域の劇場はいかにあるべきかについて論じることを目的としている。
著者
永井 聡子 ナガイ サトコ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.18, pp.97-104, 2018-03-31

地域の劇場とは何か。我が国の文化創造の拠点としての公共劇場において、「芸術」や「文化」についての論議や、「観客」についての論議は必須である。上演ジャンルをリードするものとしての劇場が必要であるという認識がないことが問題なのであり、それは劇場運営や劇場建設に大きく影響している。筆者は、『劇場の近代化』(思文閣出版、2014)の中で、演劇のジャンルが劇場空間と切り離せないその系譜を「帝国劇場」「築地小劇場」「東京宝塚劇場」の3劇場の近代化に劇場の本質的意義があるとして、演劇史との境界領域から論じた。むしろ芸術作品をリードするのが劇場で、その先に劇的世界が構築される。こうした立場から本論では、筆者が2つの劇場で企画・制作した新作舞台を事例に、演劇人、劇場人の言説を資料として、観客を能動的にするための地域の劇場はいかにあるべきかについて論じることを目的としている。
著者
永井 聡子 清水 裕之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.487, pp.79-86, 1996-09-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
17

This study is an attempt to clarify the relation between stage and auditorium in Adolphe Appia's theory of "LA MISE EN SCENE". Appia aimed at an unity between them. His idea cleared through Bayreuth festspielhaus and developped into the new step by experiencing Dalcroze method, eurhythmies in 1906. From the architectual point of view, there are two point about the unity; 1) proscenium arch 2) the side wall of the auditoium At the bottom, there are his concideration of the living body; actor and audience. New space appeared by the connection among body,lighting and space baced on the rhythm.
著者
永井 聡子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.67-72, 2014

帝国劇場における「貴賓席」は舞台と客席を繋げる前舞台領域に存在し、両者の関係性を提示している。本論文では、劇場の近代化の過程において議論となった舞台と客席の前舞台領域における関係性を考察するため、1911年に開場した帝国劇場とその劇場建設のモデルのひとつとなったパリのオペラ座(ガルニエ設計)を例に、当時設けられた「貴賓席」の配置について考察する。考察の方法は、劇場に関する当時の資料、劇場関係者の言説を中心として論じる。
著者
永井 聡子 ナガイ サトコ Satoko NAGAI
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.13, pp.81-84, 2013-03-31

本稿は、「劇場」の意味をオペラ劇場と歌舞伎劇場を軸として考察しながら、舞台と客席の関係性を帝国劇場(1911)の劇場計画をめぐる動きで整理し、日本の劇場が獲得したものと消失したものを検証する。考察の方法は、劇場に関する現場の劇場関係者の言説を中心として論じる。
著者
永井 聡子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.27-33, 2009

本論文は、明治末期より昭和期に至る日本の劇場の変遷を、帝国劇場、築地小劇場、東京宝塚劇場などの劇場改革を踏まえて現代性を描きだすことを目的としている。「劇場」とは、「専門家の配置、舞台作品の製作、空間の設計、観客の資質」という4つの要素が関わることが重要であり、時代は経ても変わることのない部分である。本論では、その前提となる建設の背景および劇場空間における前舞台領域との関係性において考察した。特に、劇場建設に対する言説から考察し、民間劇場が残した財産を現代の公共劇場がどう担うのか、これからの劇場のあり方を提示する。