著者
石田 愛 永井 世里 小山 新一郎 江崎 伸一 濱島 有喜 村上 信五
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.14-16, 2017-06-01 (Released:2017-10-27)
参考文献数
10

Vocal cord paralysis often occurs due to unknown reasons. Since bilateral paralysis can cause dyspnea,we have to carefully watch the state of the patient while investigating the causes of paralysis. We herein report a case of bilateral vocal cord paralysis in a patient who was a vegetarian. The patient’ paralysis was improved by the administration of mecobalamin.
著者
森 裕介 鈴木 元彦 長谷川 千尋 中西 弘紀 中井 一之 江崎 伸一 竹本 直樹 村上 信五 岩崎 真一
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.292-298, 2022 (Released:2022-07-20)
参考文献数
22

背景:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は今や全世界に拡大しパンデミック化している。また欧米において嗅覚・味覚障害が重要な症状として報告されているが,本邦における報告はほとんど認められない。以上を踏まえ,本研究ではCOVID-19による嗅覚・味覚障害について検討を加えた。方法:カルテからCOVID-19患者の年齢,性別,臨床症状と血中CRP結果を抽出し,解析した。結果:100例のCOVID-19患者において,嗅覚障害を訴えたのは45例(45%)で,味覚障害は44例(44%)であった。このうち嗅覚・味覚障害の両方を訴えた患者は41例で,嗅覚障害のみは4例,味覚障害のみは3例であった。また嗅覚障害を訴えた症例の年齢と血中CRP値は,訴えなかった症例よりも有意に低値であった。同様に,味覚障害を訴えた症例の年齢と血中CRP値は訴えなかった症例よりも有意に低値であった。さらに,嗅覚・味覚障害の経過についても検討を加えたが,ともに発症後1週間以内に症状が消失する症例も見られた。結語:COVID-19は日本人においても高率に嗅覚・味覚障害を引き起こすことが示された。また,嗅覚障害や味覚障害は若年者でより高率に発現し,血中CRPは低値を示す症例が多かった。少数ではあるが味覚障害のみで嗅覚障害を訴えなかった症例が存在したことから,風味障害以外のメカニズムによる味覚障害の可能性も示された。
著者
田中 伸和 江崎 伸一 讃岐 徹治
出版者
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.39-45, 2020

<p>小児気管支異物は,急性期症状が見逃された場合,難治性肺炎として治療されることがある。さらに異物反応の慢性化に伴い摘出に難渋する。今回われわれは,滞留期間の違いで治療経過の異なる小児気管支異物の2例を経験した。症例1は1歳2カ月女児。節分豆を誤嚥した直後から24時間以内に診断・摘出し,良好な経過をたどった。症例2は1歳7カ月男児。持続する咳嗽から肺炎を疑われ,近医で2週間治療され,後の病歴聴取からアーモンドチョコレートの誤嚥が契機だったと判明した。泣き止まないことを主訴に総合病院救急外来を受診し胸部CTで縦隔気腫,頸胸部皮下気腫,左主気管支の陰影と左肺野過膨張を認め,気管支異物が疑われ,当院へ救急搬送され緊急手術となった。硬性気管支鏡で異物の同定が困難なため気管切開術を施行した。経気管孔的に鼻咽腔内視鏡を挿入したが,気管内の炎症が強く異物を摘出できなかった。全身管理と抗菌薬による肺炎治療を行い,硬性気管支鏡下で異物を摘出し救命しえた。長期滞留の影響で気管内の炎症が強い場合,複数回の手術も視野に入れた治療選択を検討すべきと考えた。</p>