著者
馬場 駿吉 高坂 知節 稲村 直樹 佐藤 三吉 鈴木 茂 遠藤 里見 石戸谷 雅子 小野寺 亮 山田 公彦 大久 俊和 荒井 英爾 鈴木 雅明 大山 健二 粟田口 敏一 戸川 清 岡本 美孝 松崎 全成 寺田 修久 喜多村 健 石田 孝 馬場 廣太郎 島田 均 森 朗子 池田 聖 金子 敏郎 今野 昭義 山越 隆行 石井 哲夫 窪田 市世 鍋島 みどり 田口 喜一郎 石山 哲也 中野 雄一 中村 英生 五十嵐 文雄 古川 仭 作本 真 山下 公一 久保田 修 宇佐神 篤 伊藤 博隆 鈴木 元彦 間宮 紳一郎 横田 明 加藤 薫 大屋 靖彦 河合 〓 岩田 重信 横山 尚樹 井畑 克朗 瀧本 勲 稲福 繁 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 雨皿 亮 山田 弘之 坂倉 健二 平田 圭甫 伊藤 由紀子 村上 泰 竹中 洋 山下 敏夫 久保 伸夫 中井 義明 大橋 淑宏 阪本 浩一 村田 清高 平沢 昌子 原田 康夫 森 直樹 白根 誠 多田 渉 小林 優子 竹林 脩文 河野 嘉彦 夜陣 紘治 平田 思 宮脇 修二 津田 哲也 山下 隆司 二階堂 真史 柿 音高 永澤 容 増田 游 後藤 昭一 西岡 慶子 折田 洋造 東川 康彦 武 浩太郎 進 武幹 前山 忠嗣 百田 統洋 堤 昭一郎 茂木 五郎 川内 秀之 松下 太 吉村 弘之 高田 順子 石川 哮 定永 恭明 大山 勝 松崎 勉 坂本 邦彦 廣田 常治 内薗 明裕 鯵坂 孝二 中島 光好
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.389-405, 1995-03-01
被引用文献数
13 16

The efficacy and safety of Kampo preparation Sho-seiryu-to were studied in a joint double-blind trial in comparison with a placebo. The study was carried out on 220 patients with perennial nasal allergy at 61 hospitals. Granules in a dose of 3 g were administered 3 times daily for 2 weeks. Moderate to high improvement was recorded in 44.6% of the treated patients and in 18.1% of those receiving placebo. The difference is significant (p <0.001). Side effects were noted in 6.5% of the treated patients and in 6.4% of the controls (not a significant deference). The side effects were mild and had no influence on the daily life of the patients.
著者
鈴木 元彦
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.119, no.1, pp.22-28, 2016-01-20 (Released:2016-02-06)
参考文献数
15

アレルギー性鼻炎は国民の20%以上が罹患しており, 今や「国民病」ともいわれている. またアレルギー性鼻炎は QOL (Quality of life) に大きく影響し, その治療は重要となる. アレルギー性鼻炎の治療は ①抗原回避, ②薬物療法, ③手術療法, ④免疫療法に大別されるが, 実際の診療においては薬物療法が中心となる. 薬物療法は病型と重症度に応じて薬剤の選択がなされるが, 一般的には抗ヒスタミン薬, 鼻噴霧ステロイド薬等が中心となった治療が施行される. また抗ヒスタミン薬の選択においては健康な睡眠等を考慮して第一世代抗ヒスタミン薬でなく第二世代抗ヒスタミン薬が推奨される. そして, 薬物療法のみならず手術療法も有用な治療手段として行われるが, これらの治療はともに対症療法であり根治療法ではない. したがって, アレルギー性鼻炎に対する唯一の根治療法である免疫療法が, 患者サイドのみならず医師サイドからも必要とされてきた. 免疫療法と言えば以前より皮下に抗原を投与する皮下免疫療法 (subcutaneous immunotherapy; SCIT) が行われてきたが, 近年行われるようになった舌下に抗原を投与する舌下免疫療法 (sublingual immunotherapy; SLIT) は皮下免疫療法よりも安全な治療法であると考えられ期待されている. また皮下免疫療法, 舌下免疫療法はともに有用な根治療法であるが, これらの効果は確実なものでなく, さらに重篤な副作用を生じる可能性がある. 以上より, アナフィラキシーショック等の重篤な副作用のない, より安全で効果の高い免疫療法の開発が期待されている. 以前より, 私はより安全でより効果の高い免疫療法を目指して研究を行ってきたが, 近年 siRNA を用いた新しい治療法の有効性を証明した. 以上を踏まえ, 本稿ではアレルギー性鼻炎に対する最新の薬物療法と免疫療法について概説する.
著者
鈴木 元彦 中村 善久
出版者
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
雑誌
耳鼻咽喉科免疫アレルギー (ISSN:09130691)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.243-250, 2012 (Released:2012-10-12)
参考文献数
29

アレルギー性鼻炎は我が国の20%以上が罹患しており,日常診療において重要な疾患の一つである。しかし臨床上有効な根本的治療がなく,新しい治療法の開発が期待されている。RNA干渉(RNAi)は二本鎖RNA(double-stranded RNA,dsRNA)やmicro RNA(マイクロRNA,miRNA)に代表されるRNAによって相補的な塩基配列をもつmRNAからの翻訳が阻害される現象であるが,RNA干渉によって特定の遺伝子発現を抑制することが可能となる。また二本鎖RNAによるRNA干渉の発見後,長い二本鎖RNAによるRNA干渉が用いられてきたが,近年siRNA(small interfering RNA,short interfering RNA)という21-23塩基対の短い合成二本鎖RNAによってもRNA干渉が可能なことがわかってきた。siRNAは特定のmRNAにのみ生物活性を発揮し,特異的に遺伝子発現を抑制する。つまりsiRNAは選択性が高く,医薬品としての開発が期待されている。siRNAを用いて様々な標的分子を選択し,抑制することができるが,医療品として効率よく疾患を治療するためには重要な標的分子を選ぶことが肝要である。本稿では,アレルギー性鼻炎に対する新たな治療戦略としてRNA干渉を用いた治療法について概説する。
著者
森 裕介 鈴木 元彦 長谷川 千尋 中西 弘紀 中井 一之 江崎 伸一 竹本 直樹 村上 信五 岩崎 真一
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.292-298, 2022 (Released:2022-07-20)
参考文献数
22

背景:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は今や全世界に拡大しパンデミック化している。また欧米において嗅覚・味覚障害が重要な症状として報告されているが,本邦における報告はほとんど認められない。以上を踏まえ,本研究ではCOVID-19による嗅覚・味覚障害について検討を加えた。方法:カルテからCOVID-19患者の年齢,性別,臨床症状と血中CRP結果を抽出し,解析した。結果:100例のCOVID-19患者において,嗅覚障害を訴えたのは45例(45%)で,味覚障害は44例(44%)であった。このうち嗅覚・味覚障害の両方を訴えた患者は41例で,嗅覚障害のみは4例,味覚障害のみは3例であった。また嗅覚障害を訴えた症例の年齢と血中CRP値は,訴えなかった症例よりも有意に低値であった。同様に,味覚障害を訴えた症例の年齢と血中CRP値は訴えなかった症例よりも有意に低値であった。さらに,嗅覚・味覚障害の経過についても検討を加えたが,ともに発症後1週間以内に症状が消失する症例も見られた。結語:COVID-19は日本人においても高率に嗅覚・味覚障害を引き起こすことが示された。また,嗅覚障害や味覚障害は若年者でより高率に発現し,血中CRPは低値を示す症例が多かった。少数ではあるが味覚障害のみで嗅覚障害を訴えなかった症例が存在したことから,風味障害以外のメカニズムによる味覚障害の可能性も示された。
著者
鈴木 元彦
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.7, pp.553-556, 2020-07-20 (Released:2020-08-06)
参考文献数
8

嗅覚障害は日常生活での危険を生じさせたり, 良いにおいを感じる幸せを消失させたりして, Quality of life に強く影響する疾患である. また, 耳鼻咽喉科外来においても嗅覚障害を主訴に受診する患者は少なくなく, 臨床上重要な疾患である. しかし, 嗅覚障害のメカニズムに関してはいまだに分かっていないことも多く, 診断法や治療法についても施設によってさまざまである. そしてこういった事情を克服するといった理由も含め, 近年嗅覚障害診療ガイドラインが日本鼻科学会より発刊された. また嗅覚障害に対する発症機序の解明や新規治療法の開発といった目的にて, 嗅覚障害に関する研究も進んでいる. 以上を踏まえ, 本稿では嗅覚障害診療ガイドラインと嗅覚障害に対する最近の研究と知見について概説する.
著者
高木 繁 中村 善久 鈴木 元彦 伊藤 博隆 村上 信五 西村 穣 植田 恭弘
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.93, no.10, pp.879-885, 2000-10-01
参考文献数
17
被引用文献数
7 1

The clinical effect of cetirizine hydrochloride on Japanese cedar pollen allergy patients was analyzed by compairing treatment before the start of the pollen season and treatment after the pollen had been scattered.<br>1. Based on the symptom-medication score method, treatment before the pollen season shows a significantly lower value than that of treatment within one or two weeks after the pollen had been scattered.<br>2. Analysis also revealed that this medication relieved nasal symptoms, even in cases, occurring after the season had started.<br>3. Cetirizine hydrochloride was an effective initial treatment for the clinical effects of Japanese cedar pollen allergic reactions.<br>These results suggest that cetirizine hydrochloride is useful for the treatment of Japanese cedar pollinosis.