著者
三崎 岳郎 池本 良子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.III_461-III_470, 2020 (Released:2021-03-17)
参考文献数
30

固形バイオマスのメタン発酵処理の導入を検討するためには,各バイオマスのメタン転換率の評価が重要である.本研究では,肥料等試験法に準拠した簡易CODCr分析方法を提案し,142種類の様々なバイオマスのCODCr値を本方法で求めて,JIS方法で求めたCODCr値と比較した.その結果,提案した方法は,特に高固形分バイオマスにおいて,JIS法よりも高い値を示した.回分試験によりメタンポテンシャル(BMP)を測定し,CODCr値に基づくメタン転換率および,炭素含有量に基づくメタン転換率を評価した結果,提案した方法で求めたメタン転換率と炭素ベースのメタン転換率の間には高い相関が認められた.これらの結果から,提案した方法により,メタン発酵の導入のための固形バイオマスのメタン生成の評価に適用可能であると考えられた.
著者
池本 良子 小森 友明 井出 康行 金井 一人
出版者
Society of Environmental Conservation Engineering
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.432-439, 1998-06-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
10
被引用文献数
3 4

2槽型上向流生物ろ床装置を用いて硫酸塩還元と硫黄脱窒を組み合わせた処理法の可能性について検討した.人工廃水を供給した第1槽で硫酸塩還元を優先して起こすことができた.第1槽流出水とともに硝化液循環を想定して硝酸を供給した第2槽では, 他栄養性脱窒と硫黄脱窒が同時に進行した.第2槽において硫酸塩還元活性が認められた.両槽に生育した硫酸塩還元細菌はプロピオン酸もしくは類似の有機物からの酢酸の生成に量論的に関与していた.第2槽中の硫黄脱窒細菌は硫酸塩還元によって第1槽から供給された硫化物を利用して量論的に脱窒を行った.第2槽中の他栄養性脱窒細菌は第1槽から供給された酢酸を利用して量論的に脱窒を行った.本処理槽の汚泥発生量は少なく, 運転期間を通じて汚泥の引き抜きの必要はなかった.装置内の微生物の反応について, 熱力学的に考察を行い, 処理槽内で微生物の住み分けが起こっていることを推定した.
著者
関 平和 池本 良子 中木原 江利 本多 了
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

未利用資源の一つである竹チップの発酵過程における発生熱に着目し、伝熱理論と実験に基づいて、その熱の抽出・利用システムの適用可能性を検討した。まず、竹チップ層の発熱安定状態の発熱速度を求めた。次いで、竹チップ層内に埋設した配管への通循環通水による熱抽出の伝熱計算式を導いた。そして、抽出熱の蓄熱水槽、熱利用槽への熱供給を含めた総合システムを想定した小型システムによる伝熱実験により、伝熱計算モデルの妥当性を確かめた。さらに、実用的規模の竹チップ層を用いた発熱・蓄積・熱利用システムの実験を実施し、システムモデルの妥当性を確認した。
著者
宮島 昌克 清野 純史 能島 暢呂 鶴来 雅人 吉田 雅穂 池本 良子
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

地震発生直後に管路に直接的な被害が無くとも急激な流量の増加と水圧の低下といった配水システムにおける異常事態に着目し,被害地震が発生した際にアンケート調査を大規模水道事業体に行った。さらに,この現象が貯水槽の水のスロッシングによる水位センサーの誤作動によるものであることを明らかにし,今後発生する巨大地震による長周期・長継続時間地震動が配水システムの異常挙動に与える影響を明らかにした。