著者
小川 和鋭 荒井 昌紀 長縄 博 池田 洋子 近藤 信一
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.325-330, 2001-08-20 (Released:2011-02-23)
参考文献数
21
被引用文献数
11 13

Chlorella vulgarisK22株(クロレラ工業)藻体より,中性多糖を得て,化学構造を検討した.部分酸加水分解法で,3種の新規な二糖,6-O-(3-O-methyl-β-D-galactopyranosyl)-D-galactopyranose,6-O-β-D-galactopyranosyl-3-O-methyl-D-galactopyranoseと6-O-(3-O-methyl--D-galactopyranosyl)-3-O-methyl-D-galactopyranose,およびβ-1,3-,β-1,6-結合のガラクトニ糖あるいは三糖を得たことから,この中性多糖は新規なβ-D-ガラクタンである.さらにこの中性多糖とその部分分解多糖のメチル化分析より,主鎖にβ-1,3-結合を,側鎖にβ-1,6-結合を含むこと,分岐領域にはβ-1,6-結合の3-O-メチル-D-ガラクトース残基をもつこと,また,側鎖の長さはこのモノメチル化糖を含めて14ガラクトース残基であることが示唆された.
著者
長田 富香 池田 洋子 渡辺 節子 大橋 節子 小林 伸太郎
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.493-493, 1970-07-25

東京女子医科大学学会第36回総会 昭和45年9月27日 東京女子医科大学本部講堂
著者
梅澤 一夫 池田 洋子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2001

1)NF-κB阻害剤DHMEQの抗癌活性と接着因子発現阻害NF-κBの阻害剤は抗炎症剤、抗癌剤として期待され、私達はepoxyquinomicinの構造をもとにNF-κB阻害剤DHMEQをデザイン・合成した。前年度DHMEQがNF-κB活性化シグナルを核移行阻害という比較的下流で阻害していることがわかったので、今年度、恒常的にNF-κBが活性化しているヒト膀胱癌由来KU-19-19細胞を用いてEMSAを行ったところ、DHMEQは処理後2-6時間で阻害作用を示し、さらに今年度KU-19-19細胞でもNF-κBの核移行を阻害していることがわかった。さらにDHMEQはNF-κBが恒常的に活性化しているヒト前立腺癌JCA-1細胞においてもNF-κBを阻害することがわかった。またJCA-1腫瘍の増殖をヌードマウスで腹腔内投与により顕著に抑制することがわかった(Cancer Res.63,107-110,2003)。一方、NF-κBは血管内皮細胞の機能にも動脈硬化や転移の原因として作用している。DHMEQをヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に作用させると、NF-κBの活性化を阻害し、ICAM-1,VCAM-1,E-selectinなどの接着因子発現を阻害した。さらにDHMEQはHUVECと初代培養ヒト白血球およびHUVECと固形癌細胞や白血病細胞の接着をshear stress(流れ)条件下でも阻害した。以上のことからDHMEQは動物実験で抗癌硬化を示し、さらに動脈硬化や転移への抑制効果が期待される。2)放線菌由来アポトーシス誘導物質IC101の生合成経路二次代謝産物生合成の研究は、遺伝子レベルの研究への発展や、新しい生理活性物質の発見に有用である。アポトーシス誘導物質IC101は異常アミノ酸を含む環状ヘキサデプシペプチド構造を有し、生産菌からどのようにIC101がつくられるのか興味深い。そこで13Cラベルアミノ酸等を用い、IC101の生合成経路の解析を行った。面白いことにC5 side chainはイソプレンの形をしているがLeuが取り込まれ、前駆体になっていることがわかった(J.Nat.Prod.65,1953-1955,2002)。