著者
池田 真由美
出版者
福島県立医科大学看護学部
雑誌
福島県立医科大学看護学部紀要 = Bulletin of Fukushima Medical University School of Nursing (ISSN:13446975)
巻号頁・発行日
no.15, pp.23-31, 2013-03

資料【目的】産褥早期褥婦の疲労が,イトオテルミー療法により軽減できるかを客観的評価(加速度脈波測定システムを用い心拍変動周波数と心拍変動係数の前後差)と主観的評価(「疲労の自覚症しらべ」の前後差)で明らかにする.【対象】正常な妊娠経過をたどり,A病院で経膣分娩した褥婦34名.【方法】実験デザインは,被験者内比較型のランダム化比較実験(RCT)(イトオテルミー療法(A法)と安静(B法)の繰り返しのない被験者内比較)【結果】産褥早期褥婦の疲労において,イトオテルミー療法の効果を,APG(加速度脈波)による客観的指標と「疲労の自覚症しらべ」による主観的指標から見てみると,「CVa-a%」「全身がだるい」「頭が痛い」「頭が重い」「頭がぼんやりする」「肩がこる」において効果が確認できた.【結語】産褥早期褥婦にイトオテルミー療法を行う事で,皮膚に加えられた触圧刺激(器械的・温度的)により血行改善・筋硬直の軽減・筋弛緩効果が頭部や肩の不快症状の軽減につながり,また,快適温度刺激・香などにより爽快感・壮快感・催眠感など副交感神経機能亢進による心理的効果が表れたと考えられる.
著者
松尾 菜々 異島 優 池田 真由美 安藤 英紀 清水 太郎 石田 竜弘
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【背景・目的】活性イオウ分子種(RSS)は、チオール基やジスルフィド結合にS原子がさらに付加した分子であり、S原子放出能や高い抗酸化作用を有する。近年、過剰なS原子のがん細胞内への導入は、還元ストレスを与え、効率的に細胞死を誘導することが期待されているものの、既存のRSSは生体内での血中滞留性やがん細胞指向性に乏しいことが知られている。そこで、ヒト血清アルブミン(HSA)を過イオウ化させたPoly-Persulfide-HSAの作製を試みた。HSAは、高い血中滞留性とがん細胞指向性を有しており、生体内でRSSとして機能する報告もあることからキャリアとして有益と考えた。本研究では、作製したPoly-Persulfide-HSAの還元ストレスによる抗腫瘍効果を評価した。【方法】HSAにIminothiolaneを反応させ、Lys残基にSH基を導入した後、そのSH基をIsoamyl nitriteでS-ニトロソ化し、Na2S4と反応させることでPoly-Persulfide-HSAを作製した。In vitroの検討において、マウス結腸がん細胞Colon26細胞を用いて、Poly-Persulfide-HSAの細胞内取り込み及び細胞生存率を評価した。In vivoでは、Colon26担がんマウスを作成し、Poly-Persulfide-HSAを静脈内投与した際の抗腫瘍効果を評価した。【結果・考察】Poly-Persulfide-HSAはHSA 1分子あたり約7分子のS原子が付加していた。Poly-Persulfide-HSA処理Colon26細胞において、高い細胞毒性が見られ、その効果には活性イオウの取り込みが関与することが示唆された。In vivoの実験より、顕著な腫瘍体積増加の抑制が認められた。これらより、Poly-Persulfide-HSAは、がん細胞内にS原子を送達することで還元ストレスを惹起し、細胞死を誘導したと考えられる。以上より、作製したPoly-Persulfide-HSAは、還元ストレス誘導型抗がん剤として有用であると示唆された。
著者
山崎 良子 五十嵐 久美子 小川 真理子 池田 真由美
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.169, 2007

〈緒言〉 平成17年10月の新築移転に際し病棟が泌尿器科・循環器内科・血液内科・血管外科の4科で再編成された。看護部では固定チームナーシングが導入され看護を実践している。A病棟ではAチームを泌尿器科、Bチームを残りの3科でチーム編成した。近年、ドックや検診等で前立腺PSAの検査導入により前立腺生検(以後、P生検と略す)を行う対象が増え2泊3日の短期入院が増加した。また、AMIの緊急入院や心臓カテーテル検査(以後、心カテと略す)入院、血液内科の連日の検査や化学療法、輸血療法、血管外科の2泊3日の検査入院と1日平均6~7人の入院がある。病室単位でチームを分けている為、退院患者を待って入院をいれている。A・Bチームに関係なく入院が入る為、1部屋にA・B両方の看護師が出入りすることは常であり固定チームナーシングが機能していない状況である。そこで、看護スタッフがお互いのチームの特徴を知り、チーム間の応援・協力体制を充実させることで、日々の看護業務を円滑にし患者へより良い看護が提供できるように、当病棟における応援体制について研究したのでここに報告する。〈方法〉 1、対象 A病棟看護スタッフ22~24人2、期間 平成18年7月~平成19年2月3、方法 _丸1_各科チェックリストの作成 _丸2_チェックリストについてアンケート調査・分析・活用_丸3_応援マニュアルの修正〈結果〉チーム編成にあたり看護問題の共通性からPPC方式では患者グループ分けができず、病室単位でグループを分けた。しかし、4科の特殊性が強く1部屋にそれぞれの患者が入るとそれぞれのチームの看護師が入り看護してきた。その為、患者はどちらの看護師に頼んだらよいかわからず、頼んでも反対チームの看護師だと最後まで責任もって行えないことがあり1部屋1チームで看護できないかと考えた。その為に循環器・泌尿器科・血液内科・血管外科4科の特徴を知るように各科のチェックリストを作成した。(90項目)作成後、チェックリストについてのアンケート調査を行った。その結果、ただ、項目があってもわからない。チェックリストとしては技術的にも内容的にも細かすぎる、などの意見が聞かれた。そこで、5東では応援体制に何が必要かを考え応援体制に必要なラインを決め行った。1・各科のチェックリストから最低限経験または知ってほしい項目をあげる。2・チームで声をかけあい経験できるようにしていく。その結果、チェック項目を18に絞り、経験できるように日々の業務の中に取り入れた。また、経験前にシュミレーションすることでチェック項目が受け入れられるのではないかと考え、それぞれのチーム会でAチームには心臓カテーテル検査入院についてBチームには前立腺生検入院についてのオリエンテーションを行った。この前後にアンケート調査を行った。オリエンテーション前より後の方が出来ない、聞きながら出来る、のわりあいが減り、出来るが増えている。その為、日勤のスタッフでA/Bチームを問わず入院を取る事ができるようになり、退院まで一貫して看る事ができるようになった。