著者
岡内 正典 河村 功一 水上 譲
出版者
水産庁養殖研究所
雑誌
養殖研究所研究報告 (ISSN:03895858)
巻号頁・発行日
no.26, pp.1-11, 1997

キートセロスChaetoceros gracilisはクルマエビ類幼生の餌料として広く利用されているが,屋外での安定した大量培養は困難である。そこで,屋外での大量培養が比較的容易なイソクリシス(タヒチ株) Isochrysis sp. を餌料として利用することを目的に,ヨシエビMetapenaeus ensis幼生への餌料価値を調べた。飼育試験及び含有高度不飽和脂肪酸組成から,タヒチ株の餌料価値はキートセロスに比べて劣るが,キートセロスとタヒチ株の併用給餌により幼生の成長及び生残率は,各藻類を単独に給餌した場合と比べ,向上することがわかった。また,タヒチ株は屋外培養が容易であることも確認できた。タヒチ株を併用することにより,キートセロスの給餌量を約1/2に軽減することができ,クルマエビ類種苗への安定した給餌が可能になると期待される。
著者
古丸 明 堀 寿子 柳瀬 泰宏 尾之内 健次 加藤 武 石橋 亮 河村 功一 小林 正裕 西田 睦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.621-629, 2010 (Released:2010-10-11)
参考文献数
16
被引用文献数
4 6

シジミ属(Corbicula)の種判別を目的とし,日本,中国,朝鮮半島産 4 種(C. japonica, C. fluminea, C. largillierti, C. leana)と不明種 (C. sp.) mtDNA16S rDNA の配列(437 bp)を比較した。ヤマトシジミ C. japonica と淡水産シジミ類間の塩基置換率は平均 5.98%(5.26-6.41%)で判別は容易であった。日本産と朝鮮半島産ヤマトシジミ間の置換率は低かった(0-1.14%)が,ハプロタイプ頻度の相違から産地判別は可能であった。