著者
河村 壮一郎
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.76, pp.9-17, 2018-01-12

青年期における自己肯定意識の形成は教育における重要な課題であり,その向上には多様な要因が関わっていると考えられる.本論では自己のパーソナリティの諸要因に対する意識度が自己肯定意識の高さと関連しているとの仮説を立て,ビッグファイブ尺度に基づいて調査を行った.相関分析の結果,自己肯定意識の高さは情緒不安定性に関する意識度と負の関係,外向性に関する意識度と正の関係があることが示された.この結果は自己肯定感が自己の肯定的あるいは否定的な側面への意識によって影響されるという仮説からの予測と一致していた.
著者
河村 壮一郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.59-65, 1999-06-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
13
被引用文献数
5

ISDNを用いたテレビ会議システムを多人数の受講者が視聴できるように変更することで,双方向通信の遠隔授業を行うことができる.本研究ではこの遠隔教育システムの特質を受講者の印象調査によって検討した.調査1では短期大学の3回の遠隔講義に対して26項目の質問紙による心理的評価を行った.因子分析の結果,「授業内容」,「音声」,「遠隔教育」,「スクリーン画面」,「モニター画面」,「疲労感」,「質問」の7因子を抽出した.授業システムを直接評価した因子は5つあり,全般に高い評価であった.問題点として,スクリーン画面の精細さと質問のしにくさが指摘された.調査2では受講者の座席位置,受講回数による印象の差を検討した.全体として大きな差は認められなかったが,前方の座席の方が後方よりも受講しやすい傾向が見られた.両調査から遠隔教育におけるテレビ会議システムの有用性を確認した.
著者
河村 壮一郎
出版者
鳥取短期大学
雑誌
鳥取短期大学研究紀要 (ISSN:13463365)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.9-18, 2003-12-01
被引用文献数
1

携帯電話やインターネットの普及によりメールによるカウンセリングが定着しつつある. 鳥取短期大学でも2002年度よりメール相談を開始した. 本研究では学生のメール利用の状況, メール相談への態度を調査した. その結果, 携帯メールの利用率, 利用頻度が高いことが示された. メール相談に対する意識は個人によって異なり, メール相談に積極的な態度を示した者は2割程度であった. メールの利用状況とメール相談への志向性との強い関係は認められなかったが, メールでの感情表現の強さとの関係があると示唆された. 学生のメール相談の既知率は低く, メール相談の利用が拡大する可能性が示唆された一方, 今後の課題が明らかにされた.