著者
河村 壮一郎
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.76, pp.9-17, 2018-01-12

青年期における自己肯定意識の形成は教育における重要な課題であり,その向上には多様な要因が関わっていると考えられる.本論では自己のパーソナリティの諸要因に対する意識度が自己肯定意識の高さと関連しているとの仮説を立て,ビッグファイブ尺度に基づいて調査を行った.相関分析の結果,自己肯定意識の高さは情緒不安定性に関する意識度と負の関係,外向性に関する意識度と正の関係があることが示された.この結果は自己肯定感が自己の肯定的あるいは否定的な側面への意識によって影響されるという仮説からの予測と一致していた.
著者
荒井 優
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = Memoirs of Tottori College of Nursing and Tottori College (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.74, pp.15-28, 2017

日本の正月やお盆,祭りの日など,ハレの日に食べる食べものはなぜか丸いものが多い.神へ奉げる食べものが丸いのはなぜか.折口信夫の民俗学を通して,説明する.その背後には,日本人独自の霊魂観があり,日本人独自の神信仰と結びついた食事作法がある.
著者
渡邊 太
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.85, pp.15-27, 2022-07-01

本稿では,近代民主主義における直接行動の意義を確認する.近代の代議制民主主義では「民主主義イコール選挙」のイメージが強いが,デモや集会などの直接行動は議会に対する圧力として重要である.2010 年代日本の直接行動では「普通の人たち」の参加が強調されたが,1960 年代の直接行動を見ると大衆のラディカリズムが強烈だった.既存の秩序を打破するラディカリズムが宿る直接行動には,代議制民主主義に緊張感を与える役割が期待される.
著者
藤本 直子
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.86, pp.23-29, 2023-01-16

新型コロナウイルス感染症の拡大によって,全国の大学で面接授業(対面授業)が難しい状況に陥っており,コロナ禍でも対応可能な授業内容や学習システムの構築が求められている.鳥取短期大学生活学科情報・経営専攻においても,Google Workspace for Education を活用した授業を行っており,その実施過程でICT を活用した授業の成果と課題が出てきている.本稿では,特にGoogle Classroom を利用した授業実践を通して浮き彫りになった,授業指示・課題提出・管理の在り方や成績データの蓄積などの成果と,学生自身が抱えるPC スペック問題やWi-Fi 環境整備などの課題を明らかにする.
著者
羽根田 真弓
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.86, pp.11-21, 2023-01-16

「唱歌」「童謡」の歴史的変遷を学習した保育学生の「唱歌」「童謡」への継承意思が質問紙調査の結果から明らかに示された.保育者および保護者を対象とした質問紙調査からも同様の意思が認められた.つまり,「唱歌」「童謡」の継承は保育学生および保育現場からその必要性が認識されている.しかし,保育現場において「唱歌」「童謡」として意識的に教材選択がなされているかは不明であり,これらの歌唱教材を継承していくためには,同教材の意義や文化所産であることの見識を深める必要がある.
著者
仙田 真帆
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.86, pp.1-10, 2023-01-16

本研究は,スポーツ活動者におけるスポーツ活動時の音楽利用の実態を詳細に検討するものである.一つ目の,スポーツ活動者を対象とした質問紙調査では,回答者の約半数がスポーツ活動時に音楽を利用していること,特にウォーミングアップ時の音楽利用が多いこと等が明らかになった.二つ目の,アマチュアランナーを対象としたインタビュー調査では,個々の回答者には音楽の選択や聴取の仕方等にこだわりが見られ,パフォーマンス向上のためのツールの一つとして音楽を使いこなそうとする活動者の実態が見られた.
著者
野津 伸治
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.85, pp.29-35, 2022-07-01

任意のコースを搭載するカメラで取得した映像から自律走行する AI カーの画像認識を深層学習の畳み込みニューラルネットワークの一つ Residual Network の実装のための理論的なまとめを行った.
著者
細田 武伸 稲田 千明 矢倉 紀子
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.85, pp.1-13, 2022-07-01

A 市 B 地区の 7 名の男性住民を対象に特定健診・特定保健指導の受診に関連する要因等をグループインタビュー方式で尋ね,録音記録を KJ 法で分析した.その結果,特定健診の受診に関する要因として,【特定健診の受診には,意識改革,指導効果の実感,初回受診がポイントになる】,【特定健診の目的が達成されていない状況がある】,【健診受診率を高めるためには小地域単位での地域への働きかけが効果的である】,【特定健診を受けない理由として健診体制の不備がある】,【特定健診で病気がみつかることへの不安があるため受診しない】,【かかりつけ医を頼っていれば十分である】,【老いや健康などに対する価値観の違いがある】の 7 つの島が抽出された.これらより,受診しなければいけないという意識と受診し良かったという体験が,受診の動機に繋がっていることが考えられた.その一方で,老いや健康に関する価値観は受診を阻む要因ともなることが考えられた.
著者
田中 美菜江 奥田 玲子 深田 美香
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.84, pp.13-23, 2022-01-14

食支援において大切にしていることおよび課題について,鳥取県内の特別養護老人ホームで勤務する多職種を対象にアンケート調査を行った.現場では,誤嚥や窒息のリスクを考慮するとともに利用者一人ひとりが安全に食べることができ,食事が楽しく豊かな時間となるよう支援していた.よりよい支援にむけて,利用者の摂食嚥下状態の把握に努め安全に食べられるための環境調整や食事介助のスキル向上,専門職の配置と多職種連携の強化を課題としていた.
著者
藤本 直子 野津 伸治
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.83, pp.45-49, 2021-07-01

鳥取短期大学では,2020 年12 月よりGoogle Workspace for Education を導入し2021 年4 月よりその本格的な運用が始まる.本稿では,Google Workspace for Education 導入までの学内のICT 環境整備が図られた経緯とGoogle Meet を用いた遠隔授業やGoogle Jamboard を利用したグループワークの実践について述べるとともに,Google Classroom を活用した他大学の活用事例の紹介および情報・経営専攻の授業(2021 年「資格情報処理A」)での導入計画などについて述べる.
著者
前田 舞子
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.80, pp.35-43, 2020-01-10

本研究は,現代ドイツの教育学者モレンハウアーの思想を中心として,陶冶=人間形成論と「美的経験」との関係を検討するものである.彼の思想の背景を,「美的経験」と「陶冶=人間形成」の点から概観し,彼が子どもの陶冶過程の現実に目を向け,その解明に乗り出した経過を整理する.その上で,彼が実際に行った分析や考察を検討することにより,その理論の教育学的意義に迫る.
著者
岡野 幸夫 土居 裕美子
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.82, pp.13-29, 2021-01-12

鳥取県方言を収録した文献資料に基づいて,傷病・症状を意味する方言語彙を収集し,全体像の把握と記述的考察を試みた.量的には病気語彙が最も多く,症状語彙,感覚語彙がそれに次ぎ,怪我語彙は少なかった.この他に関連するものとして,生理現象や体質,性向などを意味する語彙も比較的多く収集できた.また,病気語彙では漢語由来の語形が多くみられること,症状語彙ではニュアンスの違いに応じて語彙を多彩に分化させていることなどが明らかになった.
著者
板倉 一枝 松島 文子
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = Memoirs of Tottori College of Nursing and Tottori College (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.75, pp.21-28, 2017

日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」の一環として,鳥取県を調査地域とした聞き書き調査を行った.主食の特徴として,麦飯中心から白米中心に変わってきたこと,米の補食として芋類や雑穀を食する食文化が認められたこと,山陰地域特有の「小豆雑煮」を正月に食する文化が多くの調査地域で認められたことなどが挙げられる.また米を節約しながらもいくつか特定の具材を用いて何種類もの変わりご飯にし,ごちそうとして楽しむ工夫なども確認できた.
著者
石橋 文枝
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.79, pp.29-37, 2019-07-01

本研究目的は,中山間地域で暮らす要援護高齢者が「できる限り在宅生活を継続する」ために必要な要件を明らかにすることである.島根県雲南市6町村(町村以下,地域)のうち2地域の居宅介護支援事業所の居宅介護支援専門員を対象に半構造的面接を実施した.分析方法はグランデッド・セオリー・アプローチ(GTA;才木クレイグヒル版)を用いた.結果,中心的概念に市街地地域は【サービス利用中の健康問題による中断】,山間地域は【緊急時対応のための施設の不足】のカテゴリー関連図が構成された.サービス選択の背景や介護給付サービスの利用に至る経緯には共通点があり,在宅生活を継続するために必要な手がかりを得ることができた.
著者
長岡 絵里佳 西尾 肇
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = Memoirs of Tottori College of Nursing and Tottori College (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.78, pp.43-52, 2019

鳥取短期大学司書課程の充実・発展をめざし,司書課程の現状を整理し,受講生の意識調査を行った.1年生に対する本や読書についての意識調査によって,本好きな学生たちの読書傾向が把握でき,全受講生対象の意識調査では,資格を取得する理由や図書館,司書のイメージが明らかになった.