著者
田中 良樹 河野 広隆 渡辺 博志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.739-756, 2006 (Released:2006-11-20)
参考文献数
53

実構造物におけるエポキシ樹脂塗装鉄筋(ECR)の防食性能を把握するため,発錆限界塩化物イオン量の視点から,北米の各州で実施された実態調査の結果を収集,再分析した.凍結防止剤散布による床版中のECRの腐食は,コンクリートのひび割れ,ECRの塗膜剥離の有無にかかわらず,ECR周囲の塩化物イオン量にある程度依存すること,ECRの発錆限界塩化物イオン量は普通鉄筋よりも大きいことがわかった.また,フロリダ沿岸部で早期劣化が見られた橋脚群におけるECRの腐食事例でも,かぶりコンクリートの低い塩分浸透抵抗性などの理由によりECRの周囲に多量の塩化物イオンが存在していた.ECR周囲のコンクリート中の塩化物イオン量をECRの発錆限界値以下に抑制することによって,沿岸部橋脚にもECRを効果的に適用できることがわかった.
著者
石川 敏之 河野 広隆 長尾 隆史 小林 朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.61A, pp.808-815, 2015 (Released:2015-05-22)

In steel members bonded with carbon-fiber reinforced polymer (CFRP) plate, the thermal stresses are introduced in the steel members, the CFRP plates and the adhesive layers when temperature changes because the linear thermal expansion coefficients of steel and CFRP are mismatched. In the previous paper, the authors proposed a technique to reduce thermal stress in steel members strengthened by CFRP plate, which involves bonding aluminum alloy plates with CFRP plates. In this research, the thermal stress introduced in the steel plate with CFRP and aluminum plates was measured over one year. As the result, it was shown the thermal stress in steel plate was neglectable small through the all-season. Additionally, a steel plate bonded carbon fiber strand sheets and aluminium plates side by side was tested. In this method, the thermal stress induced in steel plate was also reduced.
著者
丁 海文 河野 広隆 渡辺 博志 鈴木 雅博
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.1117-1122, 1999-06-21
被引用文献数
1 4

自己収縮の温度依存性を調べるために高温の一定温度養生の供試体と水和熱による温度履歴を受けるコンクリートブロック供試体で検討を行った。自己収縮ひずみは各温度履歴に対し依存する傾向を示した。始発から一定温度で養生した条件では養生温度が高くなるほど初期の膨張が大きく,自己収縮の終局値は小さくなる傾向を示した。また,水セメント比が小さくなるほど高温の影響が大きかった。ブロック供試体は水和熱による高温の温度履歴にもかかわらず初期の膨張がなく,自己収縮も大きくなった。自己収縮ひずみのマチュリティによる表現は難しいと考えられた。