著者
淺羽 茂
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.38-44, 2019-06-20 (Released:2019-10-30)
参考文献数
14

研究の評価軸は,科学的価値か社会的インパクトか,小さくても厳密な貢献かラディカルな貢献か,流行りに乗るか差別化を強調するか,というように多様であり,かつトレードオフの関係にある.いずれを選択するかに正解はなく,各々の研究者に選択権が付与されている.その選択は,自分が面白いと思うかどうかでなされるべきであり,ゆえに自分の研究は面白い,面白い研究かどうか判断する目を自分は持っているという自信を持つことが大事である.
著者
淺羽 茂
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.15-25, 2001-06-20 (Released:2022-07-30)
参考文献数
49

既存の競争研究は,競争を構造として捉える研究と,プロセスとして捉えるそれとに分類でき,さらにそれぞれの研究は,いくつかの分析レベルに分けられる.構造としての競争研究からは,競争は回避すべきものという含意が導出されるのに対し,プロセスとしての競争研究からは,競争は参加すべきものという含意が導かれる.今後は,競争をプロセスとして捉える立場に立った,産業もしくは行動-反応レベルの研究が期待される.
著者
淺羽 茂
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.48-58, 2009-03-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
22

戦略の実務家教育の問題は,成功事例の解釈は学べても,戦略の構想の仕方が身に付かないことである.ゆえに,戦略構想プロセスの研究が必要である.いくつかの日本企業は,バブル崩壊後に事業の選択と集中によって収益性を回復したが,同時に成長の原資を手放してしまった.現在の不況を脱して日本企業が再成長に向かうとき,同じ轍を踏まないために,長期戦略を構想し,短期の意思決定をそれに連動させることが焦眉の課題である.