著者
平澤 直之 清水 大地
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-179, no.4, pp.1-4, 2018-08-13

本研究では,近年広く普及しつつあるブレイクダンスにおいて,動作を自動的に判別してその結果を可視化するシステムを開発した.その際,加速度センサーを組み込んだ靴 (スマートフットウェア Orphe) を使用し,自然な環境下での動作を深層学習によって分類し,その結果をダンサーや指導者にフィードバックするシステムの開発を目指した.本発表では,そのシステムの紹介を行うとともに,上記のシステムを応用した事例についてもその途中経過を報告する.例えば,ダンサーへのフィードバックとして,動作の種類に加えて,動作のオリジナリティーの程度など,領域において重要とされる側面を可視化するシステムを現在開発中である.また,本システムによって蓄積されたデータを利用した動作の熟達度による差異に関する科学的な検討も現在行っている.
著者
清水 大地 岡田 猛
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.203-211, 2015

Focusing on the process of a dancer's acquisition of a new technique in breakdance,<br>,"Inside Ninety", this longitudinal case study aims to disclose the process of skill acqui-<br>sition through practice. We conducted a fieldwork study (participant observation and<br>interviews) to analyze the dancer's endeavours to acquire and improve skills. By avoid-<br>ing the specification of goals and movements by the researchers, as is often the case<br>in experimental settings, we observed the development of movements in each practice<br>session. The results indicate that the process of acquisition of a new dance technique<br>consists not only of the refinement of a particular skill, but also of two other activities<br>;the exploration of new and original skill utilizing the characters of a particular skill, <br>and the arrangement of that skill so that it should fit into his full performance. The<br>process of an expert's acquisition of a particular technique is a complicated and creative<br>one, integrating each skill into a full performance.
著者
清水 大地 岡田 猛
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.488-492, 2013-12-01 (Released:2014-12-24)
参考文献数
7

このたびは大会発表賞という栄誉ある賞をいただき,大変光栄に存じます.ご選考下さいました先生方,会場での発表に耳を傾けて下さった皆様にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げたいと思います. この研究は,ダンサーの方達との交流を深める中で感じていた「こういった複雑で魅力的な身体表現を,ダンサーはいかなる工夫を経て生み出したのか」という問いを起点として検討したものです.ある身体表現が生成され発展するプロセスを検討する,という分析の困難さに頭を抱えることも多々ありましたが,研究会での議論やダンサーの方達との話し合いを通じて「身体行為を行った際に生じた変化に着目する」という本研究の観点は徐々に導かれていきました.まだ不十分な点も多くありますが,こうした新たな試みを評価していただけたことを大変うれしく感じます.指導教員の岡田猛先生,研究室の皆様,ダンサーの皆様,そしてご協力頂いた全ての方々に感謝を申し上げます.
著者
清水 大地 岡田 猛
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

舞台表現では共演者や音楽といった多様な要素と相互作用を行い,魅力的なパフォーマンスが営まれる.本研究ではブレイクダンスを取り上げ,実際に踊りが営まれる中で生じる他者との相互作用について,コミュニケーションの隠れた次元である2者間の距離を指標として検討した.熟達者4名による実験の結果,共演者との距離のとり方には一定したパターンが存在し,そしてそのパターンを徐々に変化させる様子が示された.