著者
小田 翔吾 渡邉 伸樹
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1-2, pp.39-50, 2012 (Released:2020-04-21)

本研究では,現在の小学校高学年において有効であると考えられる正負の数のカリキュラム開発を行うことを目的とする。そこで本稿では,正負の数の教育の歴史的変遷・先行研究・諸外国の教育(一部の州)・認識調査などの分析から,現在の子どもに有効であると考えられる正負の数のカリキュラム(試案)を開発し,カリキュラムの小学校高学年段階の内容(一部)について,実際に,小学校6 年生(正負の数を未習)を対象に教育実験を行うことからその妥当性を検証した。その結果,小学校6 年生で十分に理解可能であることから,開発したカリキュラムに一定の妥当性が示唆された。
著者
渡邉 伸樹
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3-4, pp.81-92, 2010 (Released:2020-04-21)

本研究は,小中連携を意識した,代数カリキュラムの開発を目指すものである。本稿では,「分数の乗除」に焦点をあて,小中連携の代数カリキュラムの中で,特に2nd stage(小学校第5・6 学年,中学校第1 学年)註1 の小学校高学年において有効であると考えられる一つの教育内容(代数的な分数の乗除) を開発し,実際に教育実践を通すことからその妥当性を検討した。その結果,「代数的な分数の乗除」の教育内容は,小学校第6 学年で十分に理解可能であることから,小中連携のカリキュラムの中で,特に2nd stage の小学校高学年における一つの教育内容として妥当性があることが示唆された。
著者
柳本 哲 渡邉 伸樹 大竹 博巳 深尾 武史 谷口 和成 安藤 茂樹 河崎 哲嗣 佐伯 昭彦 池田 敏和 松嵜 昭雄
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本で初めての中高生を対象とした数学的モデリング・チャレンジのプログラムを京都で開催し,その教育的効果を検証するとともに,実施上の問題点について考察した。1回目は2013年2月に中学3年生8名が,2回目は2014年2月に高校1年生21名が,3回目は2015年2月に中高生33名が,それぞれ参加し,ボブスレー問題や電力会社収支問題などの現実問題に数学を使って挑戦した。その結果,参加した生徒は数学の有用性を再認識するとともに数学を使った問題解決に挑む楽しさを感じ取っていた。そして,このプログラム実施によって,周辺の数学科教員に数学的モデリング教材についてより明確に認知してもらうことにも繋がった。