著者
渡邉 晶
出版者
公益財団法人 竹中大工道具館
雑誌
竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-66, 2001 (Released:2022-01-31)
参考文献数
120

弥生・古墳時代の遺跡から出土した建築部材と鉄製道具を調査した結果、次のように要約できる。 (1) わが国の主要建築用材の中で、弥生・古墳時代に多く利用されていたのは、スギ・ヒノキ・クリなどであった。 (2) 木を材料とする建築を構成する部材は、樹種の特徴に応じて、適材適所に使われていた。 (3) 弥生・古墳時代の建築部材接合の加工技術は、縄文時代の技術を継承したものと推定される。 (4) 弥生・古墳時代において伐木、製材、部材加工の各段階で使用される道具編成は、縄文時代の編成を継承したものと考えられる。 (5) 弥生時代の鉄製斧は切断用縦斧と横斧に、古墳時代の鉄製斧は切断用縦斧・切削用縦斧・横斧に、それぞれ機能分化していたと推定される。 (6) 弥生・古墳時代の鉄製鑿は、斧身を利用した大型鑿、荒加工用の鑿、仕上切削用の鑿に機能分化していたと考えられる。 (7) 弥生・古墳時代の建築用主要道具の編成は、鉄製斧と鉄製鑿であったと推定される。
著者
谷本 正智 水野 雅康 塚越 卓 田村 将良 磯山 明宏 渡邉 晶規
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.383-390, 2008 (Released:2008-07-28)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

〔目的〕不動による関節拘縮後の廃用性筋萎縮に対する持続伸張運動が電気生理学的所見に及ぼす影響を明らかにするため実験を行った。〔対象・方法〕8週齢のWistar系雄ラット30匹を無処置の対照群5匹(以下,C群)と膝関節を4週間内固定し拘縮モデルを作製する実験群25匹に分け,さらに実験群は,1)4週間の不動終了直後にデータを測定した廃用群(以下,D群),2)不動期間終了後,4週間の通常飼育後にデータを測定した4NS群,ならびに8週間通常飼育後にデータを測定した8NS群,3)不動期間終了後,通常飼育に加え徒手的な持続伸張運動を4週間実施した後にデータを測定した4S群,ならびに8週間持続伸張運動を実施した後にデータ測定する8S群の5群に分けた。各期間終了後,膝関節可動域,ハムストリングス筋線維径,電気生理学的所見として単一筋線維筋電図(Single Fiber Electromyography: 以下,SFEMG)の指標を用いて経時的変化を検討した。〔結果〕電気性理学的改善は,4S群と8S群にて有意に持続伸張運動の効果を認め,膝関節可動域と筋線維径は8S群のみに有意な改善を認めた。