著者
松添 直隆 山口 雅篤 川信 修治 渡部 由香 東 華枝 坂田 祐介
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.138-145, 1999-01-15
被引用文献数
9 24

本邦の6品種およびバングラデシュの8品種・系統のナス(Solanum melongena L.)を供試して, 果実への暗黒処理が果色および果皮のアントシアニン組成に与える影響を調査した.本邦の栽培品種と'Singhnath'の果色は"紫みの黒", 'KL purple'と'Borka'は"暗い赤みの紫"および'Uttara'は"くすんだ赤紫"であった, SL系統のうち'SL 28', 'SL 32'および'SL 50'は"黄緑"と"緑"の縞に一部"赤紫"の着色, 'SL 65'は"黄緑"に一部"赤紫"の着色がみられた.'早生米国大丸'以外の品種・系統の果皮の主要アントシアニンはdelphinidin 3-p-coumaroylrhamnosylglucoside-5-glucoside (Nasunin)で, その含有率は69.1∿87.7であった.一方, '早生米国大丸'の主要アントシアニンはdelphinidin 3-rhamnosylglucosideで, その含有率は79.5%であった.暗黒処理により, '早生米国大丸'の果色は"暗い赤紫"になったが, 果皮のアントシアニン組成は対照区と違いがなかった.また, 暗黒処理により, '千両2号', '庄屋大長'および'Borka'は"黄みの白"に一部"赤みの紫"を含む果色に, そして'SL 50'は"黄みの白"に一部"灰黄赤"を含む果色に変化したが, 果皮の主要アントシアニンの含有率には変化は認められなかった.'久留米長', '十市', '御幸千成', 'KL purple', 'SL 28', 'SL 32'および'SL 65'は暗黒処理下では果皮におけるアントシアニン系色素の発現は認められなかった.
著者
吉田 敏 位田 晴久 下町 多佳志 川満 芳信 尾崎 行生 渡部 由香 安永 円理子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

西南暖地の施設園芸における冷却技術の普及を阻む原因が,冷却技術を導入したときの温度効果を定量的に評価する手法や,冷却がもたらす植物生育,収量および収穫物の品質への影響について,生産現場に十分な理解が得られていないことにあるとの観点から,環境制御施設,模擬実験温室および実際の生産現場において施設冷房・冷却を導入した場合の環境観測および植物生体計測に関する検討を行い,冷却がもたらす生産性向上効果について評価した.