著者
長谷川 恵一 熊川 彰長 日下 和夫 佐藤 政裕 只野 真 今野 彰 青木 宏 名村 栄次郎 渥美 正博
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-34, 2003 (Released:2003-12-06)
参考文献数
10

近い将来の再使用型ロケットエンジンの性能向上の一案として,伸展ノズルやデュアルベルノズルが有望であると考えられている.そこで,これらのノズルの基本特性を把握するために,4種のノズル(標準ノズル,伸展途中の過渡状態を模擬したステップノズル,デュアルベルノズルおよび可動伸展ノズル)を用いて,高空性能燃焼試験を実施した.試験で計測したノズル性能,圧力分布および熱伝達率等のデータをCFD解析結果と比較検討した.その結果,デュアルベルノズルの性能は標準ノズルやステップノズルよりも低く,現状のノズルコンターはさらに改良の余地があることが判明した.また,可動伸展ノズルの伸展時には,固定ノズルと伸展ノズル隙間からの燃焼ガスの逆流は認められず,ノズル壁面の熱伝達率は過渡的に約20%増加することが判明した.これらの現象はCFD解析結果とも一致し,CFD解析によってノズルのステップ流れや逆流が予測できる目処を得た.
著者
萩谷 功一 安宅 倭 河原 孝吉 後藤 裕作 鈴木 三義 白井 達夫 渥美 正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.345-351, 2004 (Released:2006-07-26)
参考文献数
17
被引用文献数
8 8

ホルスタイン種における月1回の検定記録から乳期全体の記録を予測する方法について比較検討した.データは,1990年から2002年までに独立行政法人家畜改良センターの4つの牧場で飼養されたホルスタイン種における771個体からの232,337の初産次の乳量における検定日記録である.乳期あたりの乳量は,分直後から分後305日までの乳量(以下,305日乳量)の合計とした.分析では,検定日間隔(Test Interval ; 以下,TI)法,最良予測(Best Prediction ; 以下,BP)法および多形質予測(Multiple Trait Prediction ; 以下,MTP)法からの推定値と真の305日乳量を比較検討した.MTP法における泌乳曲線の説明には,WoodまたはWilminkのモデルを採用した.TI法およびBP法を比較した場合,泌乳初期から中期の検定日記録に対してBP法が優れており,泌乳末期の検定日記録に対してTI法が適していた. MTP法は,Wilminkのモデルを採用した場合に,Woodのモデルを採用した場合よりも乳期全体において推定精度が高かった.Wilminkのモデルを採用したMTP法の推定精度は,泌乳初期から中期にかけてBP法と同程度であり,泌乳末期で他との比較において真の値にもっとも近似した.このことより,Wilminkのモデルを採用したMTP法は,乳期全体を通じて優れた推定法であることが示唆された.