著者
熊谷 淳 足立 厚子 永濱 陽 山田 はるひ 増田 泰之 北村 弘子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.479-484, 2023 (Released:2023-07-15)
参考文献数
13

20代,女性.下部消化管感染症に対し,抗生剤点滴に加え点滴用複合ビタミン剤を投与したところ,アナフィラキシーを発症した.原因精査のため当科紹介.点滴用複合ビタミン剤1%皮内テストが陽性となり,成分別検査ではビタミンB1誘導体のリン酸チアミンジスルフィドのプリックテストが陽性.点滴用複合ビタミン剤中のリン酸チアミンジスルフィドによるアナフィラキシーと診断した.既報告ではビタミンB1誘導体間の交差反応はないとされていたが,自験例ではフルスルチアミン塩酸塩で陽性を示し,交差反応が示唆された.点滴用複合ビタミン製剤は日常臨床で使用されており,発症頻度は少ないがアナフィラキシーに至る可能性があり注意が必要である.
著者
熊谷 淳 西 紘一郎
出版者
一般社団法人 日本救急救命学会
雑誌
救急救命士ジャーナル (ISSN:2436228X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.89-92, 2021-09-30 (Released:2023-06-08)
参考文献数
9

【目的】救急隊の現場滞在時間の延伸は,治療開始の遅れに影響するとされている。治療開始の時間を定量的に評価できる急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome:ACS)における救急隊の現場滞在時間と治療開始までの時間との関連性を後方視的に検討した。【対象】2018年1月1日から2019年12月31日に救急搬送され,ACSを疑い緊急冠動脈造影を行った症例の現場滞在時間と治療開始までの時間との関連性を検討した。【結果】救急隊の現場到着から出発を現場滞在時間として,救急隊の現場到着から血管造影室での穿刺時刻を治療開始までの時間と定義した。治療開始までの時間にはST上昇の有無(B=−98.08,p<0.01)と現場滞在時間(B=2.76,p<0.01)が影響することが示された。【結論】救急搬送されたACSにおいて,現場滞在時間の延伸は治療開始までの時間を遅らせる。
著者
小西 秀明 岡埜 靖 山村 一之 唐沢 直子 板矢 剛一 熊谷 淳子 江守 道明 相京 隆 平出 貴久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.658, pp.9-15, 2002-02-15

LSIのテストで高い縮退故障の検出率を得るためには,スキャン設計された回路についてデターミニスティックなテスト生成手法を用いるのが一般的である.しかし,回路規模が増加すると,テストデータ量も増加し,これがテストコストの増加につながる.テストデータ量を減らすためにはBIST手法が有効であるが,故障検出率が十分でなかったり,テストポイント挿入が必要だったりする.本研究では,テスト生成技術とBIST技術を応用し,テストコストを削減する新手法を提案する.本方法を実際の回路に適用した結果,高い故障検出率を維持しながらも,テストデータ量とテスト時間を約1/10に削減することができた.