著者
石井 亮 大塚 和弘 熊野 史朗 大和 淳司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
巻号頁・発行日
pp.2L32in, 2015 (Released:2018-07-30)

複数人対話における話者交替のメカニズムを明らかにし,次話者と発話開始タイミングを予測可能なモデルの構築を目指している.本研究では,話者交替に重要となる発話末の話し手と聞き手の視線交差において,視線交差の開始時にどちらが先に視線を向けるかといったタイミング構造が次話者・発話開始タイミングとどのような関連性があるかを明らかにし,タイミング構造の情報を用いた予測モデルを構築した.
著者
石井 亮 大塚 和弘 熊野 史朗 大和 淳司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1116-1127, 2016-04-15

複数人対話において,これまで着目されていなかった参加者の頭部運動と次話者との関連性を明らかにし,頭部運動の情報を用いて誰が次話者になるかを予測するモデルを提案する.まず,4者の対話のデータ収録を行い,発話情報,および頭部計測センサから取得される頭部位置,回転角からなる頭部運動情報を含む会話コーパスを構築した.コーパスデータを用いて,現話者の発話末の頭部運動と話者交替の関連性を分析した結果,話者継続時と交替時で,現話者の頭部運動が異なることが示された.また,非話者の発話末の頭部運動と次話者の関連性を分析した結果,話者継続時の非話者,話者交替時の非次話者と次話者の3者間で,頭部運動の特徴が異なることが示された.分析で差が見られた現話者,非話者の頭部運動情報を用いて,話者継続と話者交替のどちらが起こるか,さらに,話者交替時に非話者の中で誰が次話者になるかを2段階で予測する次話者予測モデルを構築した.その予測精度の評価の結果,現話者と非話者の頭部運動情報が話者継続/交替の予測に有用であることが示唆された.また,非話者の頭部運動情報が話者交替時の次話者の予測に有用であることが示唆された.
著者
山口 大助 市原 隆司 熊野 史朗 佐藤 洋一 須田 義大 李 曙光
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.253-258, 2011

近年,ITS技術を利用したエコドライブに関する研究が幅広く行われている.その多くは車速や加減速など自車に関する情報のみを考慮しているが,実際には渋滞や信号機の現示など周囲の状況によって最適な運転操作は異なる.そのため,自車だけでなく,渋滞,信号現示,車間距離などの周囲状況も考慮する必要がある.筆者らはこれまでに自車状況と自車周囲状況の両方を考慮したエコドライブの達成レベルを定量的に評価する手法を提案しており,本研究では自車周囲状況として交通信号機の視認を考慮に入れた場合の提案手法の妥当性をドライビングシミュレータを用いた基礎実験を通じて検討する.