- 著者
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原 智仁
寺田 和憲
- 雑誌
- 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
- 巻号頁・発行日
- vol.2015-HCI-164, no.1, pp.1-7, 2015-07-24
不正防止や犯罪防止のためのシステムが求められている.防犯カメラなどは名の通り犯罪を未然に防ぐためにあるが,実際の効果は薄く,現段階では主に犯罪事後の証拠資料の提供にとどまっていると言わざるをえない.先行研究では目の存在が人の道徳性向上を向上させ,不正防止に効果があることがわかっている.本研究ではこの心理効果を利用し,防犯カメラの代わりとなる眼球ロボットの開発を行った.眼球型のロボットの前では,防犯カメラよりも自己利益追求が抑止されるという仮説を,ロボットに見られないように現金を盗むタスクを用いた参加者実験によって検証した.実験の結果,現金取得本数には有意な差は確認されなかったが,人のロボットから感じる感情に有意な差が見られ,眼球型のロボットはカメラ型のロボットよりも被視感による緊張や恐れの感情をより感じることがわかった.