著者
高橋 英之 寺田 和憲 上出 寛子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

その実在の議論とは別に,我々がかみさまを知覚する際に,他者やエージェントを知覚するのと同様な神経回路を用いていることが近年示唆されている.我々は,宗教,そして神は古代から人が作り上げてきた最も成功したHAIの一つであるという仮説を提起し,その誕生と機能について,宗教の歴史や形態と既存のHAI研究との比較を行いながら議論を行いたい.
著者
原 智仁 寺田 和憲
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-164, no.1, pp.1-7, 2015-07-24

不正防止や犯罪防止のためのシステムが求められている.防犯カメラなどは名の通り犯罪を未然に防ぐためにあるが,実際の効果は薄く,現段階では主に犯罪事後の証拠資料の提供にとどまっていると言わざるをえない.先行研究では目の存在が人の道徳性向上を向上させ,不正防止に効果があることがわかっている.本研究ではこの心理効果を利用し,防犯カメラの代わりとなる眼球ロボットの開発を行った.眼球型のロボットの前では,防犯カメラよりも自己利益追求が抑止されるという仮説を,ロボットに見られないように現金を盗むタスクを用いた参加者実験によって検証した.実験の結果,現金取得本数には有意な差は確認されなかったが,人のロボットから感じる感情に有意な差が見られ,眼球型のロボットはカメラ型のロボットよりも被視感による緊張や恐れの感情をより感じることがわかった.
著者
高橋 英之 寺田 和憲 上出 寛子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2K5OS14b2, 2015 (Released:2018-07-30)

その実在の議論とは別に,我々がかみさまを知覚する際に,他者やエージェントを知覚するのと同様な神経回路を用いていることが近年示唆されている.我々は,宗教,そして神は古代から人が作り上げてきた最も成功したHAIの一つであるという仮説を提起し,その誕生と機能について,宗教の歴史や形態と既存のHAI研究との比較を行いながら議論を行いたい.
著者
伊藤 昭 水野 将史 後藤 強 寺田 和憲
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第17回全国大会(2003)
巻号頁・発行日
pp.208, 2003 (Released:2004-02-03)

知的な行動主体(エージェント)が社会で行動するためには、相手の行動を予測して、それに対して適切な行動をとる必要がある。このような、「相手を読む」ことの研究は、(囲碁のような)零和ゲーム、囚人のジレンマゲームのような、対称型非零和ゲームではあるものの、一般の零和ゲームではほとんどない。ここでは、「相手を読む」ことが本質的な標準ゲームを提案する。また、強化学習、進化プログラミングを用いて行動戦略の獲得を調べ、「良い」戦略の条件を検討する。また、対戦者両者が共に相手の行動を読んで自己の戦略を修正しようとするとき、どのような現象が観測されるのかを報告する。
著者
寺田 和憲 伊藤 昭
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本発表では、人間とロボットの違いの本質を定型性と逸脱性に基づいて議論する。人間は機械の振舞いに対しては定型性を期待し、人間の振舞いに対しては逸脱性を期待する。我々は、定型性に対する逸脱性こそが機械と人間をカテゴリー分類する上での決定的要因だと考える。実験結果を交えてこの論理を展開する。

2 0 0 0 OA 志向姿勢再考

著者
寺田 和憲 伊藤 昭
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

人工知能やロボティクスの進歩によって人工システムは人間に近づきつつあるが,はたしてユーザはそのようなシステムを人間と同等の存在として捉えているのであろうか.本稿ではこれまでに我々が行ってきた実験結果を踏まえながらDennettの提案した志向姿勢について再考する.
著者
山内 厚志 寺田 和憲 伊藤 昭
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.240, 2011 (Released:2012-02-15)

単純なデバイスで実現可能な人工物(ロボット等)の感情表出として,発色の色相と,輝度の時間的変化に関するパラメータ(点滅周期と点滅波形)の 3要素により感情を表出する手法を提案した.この手法の有効性を直感的に伝えるために,作成したロボットと参加者がインタラクションするデモを行う.インタラクションでは,参加者の行動に応じてロボットの感情が変化するという想定で,感情の変化を発色や身体動作によって表出する.
著者
寺田 和憲
出版者
岐阜大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 未来社会創造事業 探索加速型
巻号頁・発行日
2022

社会情動能力は「長期的目標の達成」「他者との協働」「感情の制御」を可能にする能力であり、IQによって計測可能な認知能力と対比され、客観的計測、定量化が難しい非認知能力と言われてきた。それに対し、本研究開発では、ゲーム理論、進化心理学、社会心理学、認知科学、アフェクティブコンピューティング、人工知能の分野の複合的知見により、本来見えない相手の心や相手との関係を数理的に読み、社会関係を数理最適化する能力、すなわち数理的社会情動能力を算数能力と道徳能力をハイブリッドした能力として定義する。我々は科学技術立国を実現するSTEM能力と同様に、社会構成員が数理的社会情動能力を備えることが重要であると考え、AIエージェントとの社会的インタラクションの中で、子どもがその能力を習得できるシステムを開発し、介入効果およびウェルビーイング向上に資するかどうかを検証する。
著者
寺田 和憲
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
巻号頁・発行日
2001

identifier:https://library.naist.jp/mylimedio/dllimedio/show.cgi?bookid=100051147&oldid=95460
著者
塩田 智也 寺田 和憲 栗原 一貴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2K5OS14b4, 2015 (Released:2018-07-30)

マナー違反者を直接咎責することは対人関係の悪化を嫌悪した結果ためらわれる.我々は,対面状況において過剰な情動反応を抑制するためにコミュニケーションチャネルからエージェンシーを削減する「脱エージェンシー」という概念を提案している.本研究では,「インタラクション対象が機械である」というトップダウン認知を利用した脱エージェンシーによって咎責嫌悪感を低減させられることを心理実験で示した.
著者
勅使 宏武 寺田 和憲 伊藤 昭
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.445-456, 2015-11-25 (Released:2019-07-01)
参考文献数
32

We are developing a method of emotion expression with blinking pattern. Our previous study confirmed that emotions expressed by blinking pattern are perceived correctly, and are able to elicit prosocial behavior from those who see the emotion expressions. In the present study, we investigated whether our artificial emotion expression reinforces perceived emotion when people listen to short stories from a robot. Experimental results showed that, for some stories, blinking colored eyes of a robot reinforce the subjective perception of the target emotion and weaken the other emotions.
著者
寺田 和憲 山田 誠二 伊藤 昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.73-81, 2012

We conducted an experimental investigation on human adaptation to change in an agent's strategy through a competitive two-player game. Modeling the process of human adaptation to agents is important for designing intelligent interface agents and adaptive user interfaces that learn a user's preferences and behavior strategy. However, few studies on human adaptation to such an agent have been done. We propose a human adaptation model for a two-player game. We prepared an on-line experimental system in which a participant and an agent play a repeated penny-matching game with a bonus round. We then conducted experiments in which different opponent agents (human or robot) change their strategy during the game. The experimental results indicated that, as expected, there is an adaptation phase when a human is confronted with a change in the opponent agent's strategy, and adaptation is faster when a human is competing with robot than with another human.
著者
塩田 智也 寺田 和憲 栗原 一貴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.2K5OS14b4, 2015

<p>マナー違反者を直接咎責することは対人関係の悪化を嫌悪した結果ためらわれる.我々は,対面状況において過剰な情動反応を抑制するためにコミュニケーションチャネルからエージェンシーを削減する「脱エージェンシー」という概念を提案している.本研究では,「インタラクション対象が機械である」というトップダウン認知を利用した脱エージェンシーによって咎責嫌悪感を低減させられることを心理実験で示した.</p>
著者
三宅 雄大 寺田 和憲 吉川 雅博 松本 吉央 高橋 英之 伊藤 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.73-78, 2013-11-02

本研究では,人がアンドロイドを人のようなインタラクション対象とみなすかどうかを繰り返し非ゼロ和ゲームを用いて検証した.実験タスクには協調も搾取も可能な繰り返し非ゼロ和ゲームである1,2,5じゃんけんを用いた.対戦相手としてアンドロイド,PC,人を比較した.実験の結果,実験参加者は対人条件の場合は相手との協調を優先したが,対アンドロイドの場合には対PCと同様に自己利益を追求し搾取を行った.実験結果の解釈を定めるために,追加実験を行い,対人であっても,その人が実験者である場合には自己利益を追求することが確認された.以上の結果から,金銭に関して価値を共有しないことがアンドロイドの人らしさを減退させていると結論づけた.
著者
塩田 智也 寺田 和憲 栗原 一貴
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

マナー違反者を直接咎責することは対人関係の悪化を嫌悪した結果ためらわれる.我々は,対面状況において過剰な情動反応を抑制するためにコミュニケーションチャネルからエージェンシーを削減する「脱エージェンシー」という概念を提案している.本研究では,「インタラクション対象が機械である」というトップダウン認知を利用した脱エージェンシーによって咎責嫌悪感を低減させられることを心理実験で示した.