著者
須田 義大 青木 啓二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.809-817, 2015-02-01 (Released:2015-02-01)
被引用文献数
11 7

現在,2020年までの自動運転の実用化を目指して日本,米国および欧州において技術開発が進められている。自動運転は人間に代わり認知,判断,操作を行う必要があり,高度な情報処理や走行制御が求められる。このため自動運転として,数台の車両が車群を構成して走行する隊列走行システムが開発された。この隊列走行システムを通じ,白線に沿って自動操舵する車線維持制御技術や車車間通信技術を用いた車間距離制御技術が開発された。隊列走行システムの後,現在一般道での自動運転を目指した技術開発が行われており,キー技術として,制御コンピューターの故障時における安全を確保するフェイルセーフ技術や障害物を確実に認識するためのローカルダイナミックマップ技術およびAI化を中心とした自動運転アーキテクチャーが開発されている。
著者
須田 義大 松岡 茂樹 小川 雅
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.63, no.611, pp.2329-2336, 1997-07-25 (Released:2008-02-26)
参考文献数
8

This paper presents a quantitative evaluation method for seat arrangements in commuter railway cars. The purpose of the study is to evaluate seat arrangements based on passenger comfort and accessibility, which are important during train operation. To determine the unknown parameters in the function, experimental examination was done. A full-scale mockup with variable seat arrangements was manufactured. It was modeled on a 20 m-long car with four or six doors per side, because a choice of the door arrangement is one of the main parameters. Using this mockup, comfort and accessibility were measured for ten types of seat arrangements. The results of the proposed evaluation functions using computer simulations agreed with measured experimental results. Applying the evaluation method to several seat arrangements, it is found that the most suitable seat arrangement depends on the average boarding time of passengers. From the evaluated results, suitable seat arrangements for commuter trains are discussed.
著者
杉町 敏之 須田 義大 阿部 朋明 鈴木 彰一 牧野 浩志 鯉渕 正裕 杉浦 孝明
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.149-151, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
4

本研究では,道路の劣化に与える影響が大きい過積載トラックの対策のため,重量変化により生じる車両の固有振動数変化に着目し,次世代交通システムで応用可能な重量推定法に関する基礎検討を行う.具体的には,重量ごとに変化する車両の固有振動数に着目し,この値を走行車両上で計測することにより過積載を検出するシステムの実現を目指す.そのための検討として本稿では2 軸車両を対象とし,積載重量に対する固有振動数の変化を解析する.また,個体差や経年変化に対する検討として,重心位置の変化に対する固有振動数への影響に影響について検討を行った.
著者
林 世彬 須田 義大 横溝 英明 小宮 浩資 平山 幸司
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.111-116, 2019-03-01 (Released:2019-03-30)
参考文献数
3

昨今高速バスの都市間輸送における大幅な進展がみられるが,今後バス運転手の確保の課題や,より一層の安全性やサービスの向上を考慮すると,現在,産官学で鋭意開発され,実装化が期待される自動運転技術を導入することが有益であると考えられる.本稿では,内閣官房.ITS 戦略室によるロードマップ,制度整備大綱や,経済産業省.国道交通省で進められている隊列走行トラックの技術開発状況などを踏まえて,実装化に向けたコンセプトを検討した.
著者
須田 義大 青木 啓二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.809-817, 2015
被引用文献数
7

現在,2020年までの自動運転の実用化を目指して日本,米国および欧州において技術開発が進められている。自動運転は人間に代わり認知,判断,操作を行う必要があり,高度な情報処理や走行制御が求められる。このため自動運転として,数台の車両が車群を構成して走行する隊列走行システムが開発された。この隊列走行システムを通じ,白線に沿って自動操舵する車線維持制御技術や車車間通信技術を用いた車間距離制御技術が開発された。隊列走行システムの後,現在一般道での自動運転を目指した技術開発が行われており,キー技術として,制御コンピューターの故障時における安全を確保するフェイルセーフ技術や障害物を確実に認識するためのローカルダイナミックマップ技術およびAI化を中心とした自動運転アーキテクチャーが開発されている。
著者
安藝 雅彦 中野 公彦 須田 義大 岸波 友紀 高須賀 直一 磯貝 俊樹 川合 健夫 小野口 一則 青木 啓二
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.105-107, 2013-03-01 (Released:2013-06-19)
参考文献数
4

本稿は専用道における大型車両自動運転のためのセンサシステムのフィージビリティスタディ環境構築の報告である.エネルギーITS 推進事業「自動運転・隊列走行に向けた研究開発」において,これまで開発した技術実証の場として,専用道を走行するダブルストレーラを対象に自動運転のためのセンシングシステム検証のために長期計測環境を構築したので報告する.
著者
山下 隼平 杉山 博之 須田 義大
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.77, no.781, pp.3253-3263, 2011 (Released:2011-09-25)
参考文献数
11

In this investigation, curving performance for low-floor light rail vehicles (LRV) with friction controls on wheel/rail interface is discussed. To this end, a creep force model subjected to friction modifiers is developed by introducing an equivalent shear modulus of rigidity. Good agreements in the creep force characteristics are obtained between the proposed model and experiment. It is shown with the proposed creep force model that use of friction modifiers on an inner rail is effective for reducing lateral contact forces of LRV with independently rotating wheels.
著者
須田 義大 大口 敬 中野 公彦 大石 岳史 小野 晋太郎 吉田 秀範 杉町 敏之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.95-98, 2016

新たなモビリティ社会の実現のためには,車両制御以外の様々な課題に対する取り組みが必要である.まず,全ての自動化のレベルでHMI が重要課題となる.次に,自動運転により人間にはできない高度な運転が実現できる一方で,一般交通への受容性評価もまた重要課題である.さらに,自動運転の実用化に向けては,自動運転に関する総合的なエコシステムを整え,社会制度との適合性を含む社会受容性を確保する必要がある.本稿では,このような自動運転により新たなモビリティ社会を築くための様々な重要課題と展望について述べる.
著者
平沢 隆之 渡辺 翔 須田 義大 吉田 秀範 中野 公彦 水間 毅 長谷川 智紀 竹内 俊裕 栃岡 孝宏 山本 康典 岩下 洋平 藤元 秀樹 東 耕一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.177-182, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
7

車車間通信型ASV の普及スキームの一環として提案した路面電車と自動車の間での通信型ASV プロトタイプサービスを,実証実験への試供が可能となったASV 通信機を用いて構築した.両車両が見通し不良状況にて1 対1 で遭遇する基礎的なシーンを想定し,広島地区第二次ITS 公道実証実験デモに合わせて機能検証データを取得した.その結果,プロトタイプサービスが路面電車運転士の気づき支援に必要な機能を満たすことを確認した.
著者
中川 智皓 竹原 昭一郎 須田 義大
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.75, no.749, pp.74-80, 2009-01-25 (Released:2017-06-09)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

In this research, the dynamic characteristics of a small wheel bicycle are investigated. The bicycle model is formulated by using multibody dynamics. Then, the stability of bicycles is analyzed by parametric study using the bicycle model. The effects of the parameters of tire diameter and head angle are examined by focusing on a small wheel bicycle. The straight-ahead stability and upstanding stability are evaluated at each parameter. The results show the tendency of stability at each parameter and the influential parameter to the small wheel bicycle is found. The driving experiment using the small wheel bicycle is performed. In the experiment, the stability of the small wheel bicycles with variable head angle is evaluated by the subjects. It is confirmed that varying head angle increases the stability of the small wheel bicycle. The results are corresponding with the simulation results and it is shown that the simulation captures the tendency of the stability and expresses the characteristics of the small wheel bicycle.
著者
霜野 慧亮 中野 公彦 鈴木 彰一 岩崎 克康 須田 義大
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.85-89, 2022-02-01 (Released:2022-02-25)
参考文献数
11

自動運転の社会実装には,実際の交通環境下で自動運転車両がどのように走行しているのかを,社会に対して適切に伝えることが望ましい.実交通環境下での自動運転車両の走行データ収集は,そのようなコミュニケーションの際に有用な情報をもたらすだけでなく,より高度な自動運転車両の機能開発や運用上の工夫等の観点からも,有益な情報をもたらすと期待される.柏市柏の葉地区では,2019 年11 月から長期間実証実験として自動運転バスが営業走行している.この取り組みは,長期間にわたり自動運転車両が走行していることから,将来的に自動運転車両が実装された際の状況に比較的近い状態にあると考えられる.この自動運転バスにドライビングレコーダを搭載し,運転手による手動介入時の映像データ取得を行い,介入時の周辺交通や道路環境の要因について分析を行う取り組みを開始している.本稿では,この取り組みの概要を紹介する.
著者
平岡 敏洋 霜野 慧亮 須田 義大 小野 晋太郎 内村 孝彦 梅田 学
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.93-99, 2021

<p>自動運転はシェアリングサービスとの相性が良いとされてきたが,新型コロナウイルス感染症の流行を経験した社会では,利用者の心理的な抵抗が増えることが予想される.また,感染症対策として,密閉・密集・密接を避けるように行動変容することが求められた結果,人の移動量は減少し, BtoC の物流は大幅に増加した.本発表では,このようなポスト感染症時代において,自動運転技術が必要かつ有効であると思われる場面について検討するだけでなく,今後どのような新しい技術が期待されるのかなどの自動運転技術の将来展望について論じる.</p>
著者
郭 鐘聲 タン ジェフリ トゥチュアン 荒川 大輝 須田 義大 平沢 隆之 荒木 敬造 水野 晃 堀口 宗久
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.63-67, 2019-03-01 (Released:2019-03-30)
参考文献数
4

本研究では,ナロービークルの操舵安定性の向上を目指し,車体の傾きに従って機械的に追従するパッシブ前輪を有する3 輪ナロービークルを提案し,シミュレーションおよび実車実験により操舵安定性について評価した.実車実験の結果との比較により,提案した車両モデルがパッシブ前輪車両の車両ダイナミックスを正確にシミュレーションできることが確認でき,その車両モデルに基づく実車両の改良により,操舵安定性を改善することができた.
著者
岡本 裕司 中野 公彦 大堀 真敬 多加谷 敦 須田 義大 堀 重之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.267-270, 2010-05-01 (Released:2010-09-22)
参考文献数
5
被引用文献数
3

本研究では,自動車運転時の乗員の筋電位を自動車の運動性能の評価指標として用いる可能性を調べるために,乗員の筋電位と車両の横加速度との相関を調べている.筋電位は,頭部を支える役割を持つ頚部左右の胸鎖乳突筋に対して計測を行った.実験では,被験者を後部座席に乗車させ,市販車とその剛性を改良した改造車でスラロームコースの走行を行った.結果は,加速度が生じる方向とは逆側の筋肉の筋電位が大きくなることが分かった.加えて,車両内部に生じる横加速度の小さい改造車に乗車した時の方が,筋電位のRMS値が小さくなる傾向がみられた.
著者
杉町 敏之 橋本 怜 須田 義大
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.1121-1126, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
3

現在,高速道路の様な限定された交通環境下において一般車との混在での隊列走行システムの実運用が検討されている.従来存在しなかった短い車間距離で隊列を組む大型トラックの車群が一般車に対して悪影響を与える可能性がある.そのため,ドライビングシミュレータを用いて大型トラックの隊列走行の一般車に対する受容性の評価を行う.
著者
河野 賢司 菅 瞭介 須田 義大 須藤 裕之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.69-73, 2019-03-01 (Released:2019-03-30)
参考文献数
8

自動車周囲の交通状況の認識にはセンサが重要な役割を果たしている.光学センサやミリ波レーダーを利用した歩行者検知システムが普及する一方で,見通しが悪い交差点など物陰の歩行者検知は容易ではない.本稿では,歩行時の靴底と路面間の接触剥離に起因する人体周囲の空間電位変動を利用した歩行者検知手法を提案するとともに,本手法による物陰の歩行者検知の可能性をシミュレーションと実験を通じて検討した.
著者
坂井 康一 和田 健太郎 小野 晋太郎 貝塚 勉 杉町 敏之 平沢 隆之 大口 敬 須田 義大 中野 公彦 大石 岳史
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.57-62, 2018-03-01 (Released:2018-03-30)
参考文献数
3

高速道路ネットワークの整備が進む中,道路を賢く使うには,ITS 技術を活用した運用施策の実施が求められている.一方で,実施例のない施策の場合,ドライビングシミュレータ等の仮想実験環境を用いて,施策の効果・安全性等の事前評価を行う必要がある.本研究では,高速道路ネットワーク機能を最大限利用するための運用施策の事前評価のため,道路運用施策,評価すべき項目,仮想実験環境に必要な機能・性能,要素技術・理論モデルについて検討を行った.
著者
杉山 博之 須田 義大
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2006, pp._204-1_-_204-6_, 2006

次世代のマルチボディ動力学解析において期待される非線形有限要素法との連成問題,つまり,剛体,柔軟体および大変形柔軟体がジョイント拘束を介して連成した多体拘束系動力学問題の効率的な数値定式化手法の開発が活発に行われている.特に,マルチボディ計算アルゴリズムにて用いられる非増分型アルゴリズムに基づく非線形有限要素法, Absolute nodal coordinate formulationがShabanaによって提案されており,大変形柔軟体を含むマルチボデイシステムの拘束系動力学解析に適用されている.しかしながら,本定式化の曲がり梁としての特性に関してはほとんど報告されていない.また,既存の3次元Absolute nodal coordinate formulation梁要素では,体積要素としてGreen-Lagrangeのひずみテンソルから弾性力を導出しているため,せん断変形および断面変形に起因したロッキングが発生する.特に,梁が初期形状において曲率を有する曲がり梁においては,ロッキングの影響が顕著となり精度の低下を招く.本論文では,図A1に示すような大変形柔軟マルチボディ解析における曲がり梁の新たな定式化手法を提案した.曲がり梁の軸曲線に沿ったひずみ成分を,基準および変形後の配置に対する変位勾配変換と基準配置にて一義的に決定するAlmansiひずみにより表すひずみ式を導出した.また,曲がり梁の回転ひずみ成分を曲率/ねじりテンソルにより定義することにより,既存の定式化にて問題となる体積要素として導出される曲げひずみ成分の精度低下を回避した.さらに,せん断ロッキングをHellinger-Reissner混合変分原理を用いて回避し,また断面変形に関してAssumed strain法を用いてメンブレンロッキングを回避して要素精度を向上させた新たな曲がり梁の定式化を示した.図A2に示す梁のロールアップ問題に対する理論解との比較および図A3に示す動的スティフニングに関するベンチマーク問題を用いた要素精度の検証から,大変形曲がり梁を有する機械構造物の工学的動力学問題に対して,提案した手法が有効であることを示した.