著者
牟田 昌平
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.8(2008-CH-077), pp.17-24, 2008-01-25

我が国では「アーカイブ」という言葉の本来的な意味である「記録資料」や、それを保存公開する施設としての「文書館」について社会的な認知が低い。本来的な意味での「アーカイブ」が社会的に認知されている欧米諸国とは異なって、「デジタルアーカイブ」は「データベース化されたデジタルコンテンツ」の意味で理解されている。最近ではGoogleのようなサーチエンジンとさえ混同されるようになっている。本稿では、一般に馴染みのない「アーカイブ」のデジタル化を進める国立公文書館の試みを通じて、本来的な意味での「アーカイブ」をデジタル化することで生まれた可能性や課題について紹介する。
著者
鈴木 卓治 五島敏芳 牟田昌平
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.8(2008-CH-077), pp.25-26, 2008-01-25

情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会において「デジタルアーカイブ」が重要な研究テーマのひとつにとりあげられるようになって久しい.デジタル技術の発達は目覚しく,「ボーンデジタル」な資料(他の媒体上で作られた資料のデジタルコピーでない,最初からデジタルデータとして作られた資料)の急速な台頭や,「Google≒デジタルアーカイブ」という視点の登場など,早くからアーカイブズとデジタル技術の問題に強い関心を寄せていた当研究会としては,この潮流を正確に把握して,デジタルアーカイブ研究をどの方向に発展させていくべきかについて,よく学ぶ必要がある.われわれは,アーカイブズの専門家を招いて,アーカイブズとデジタル技術にまつわる最新の状況と課題について理解を深めることを目的とする「アーカイブズ小特集」を全2回の予定で開催することとした.本稿は,その第1回として,国立公文書館の牟田昌平氏を招いて実施する,公文書のデジタルアーカイビングの現状と未来を探るパネル討論についての予稿である.
著者
牟田 昌平 小林 昭夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.477-483, 2002 (Released:2002-10-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1

アジア歴史資料センターは,2001年11月30日,独立行政法人国立公文書館の組織として開設された。アジア近隣諸国との相互理解促進のために,政府が所蔵する戦前の公文書から,アジア諸国との関係資料をインターネットで「いつでも」「どこでも」「だれもが」「無料」で検索し画像データとして利用できる本格的なデジタルアーカイブである。閣議決定から開設まで2年間,最新の技術動向を踏まえながらも,できるかぎり既存の確立した技術を応用し,手書き文書も含めた文字情報の内容検索と閲覧,印刷,画像データダウンロードに機能を集中した情報提供システムである。本論では,センターの情報提供システムの特長と言える最新の画像圧縮技術を導入した画像提供システム,歴史用語と英語に対応する専門辞書,検索情報を充実させるための原文情報や英文検索対応の目録システムを中心に紹介する。
著者
牟田 昌平 小林 昭夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.477-483, 2002
被引用文献数
1

アジア歴史資料センターは,2001年11月30日,独立行政法人国立公文書館の組織として開設された。アジア近隣諸国との相互理解促進のために,政府が所蔵する戦前の公文書から,アジア諸国との関係資料をインターネットで「いつでも」「どこでも」「だれもが」「無料」で検索し画像データとして利用できる本格的なデジタルアーカイブである。閣議決定から開設まで2年間,最新の技術動向を踏まえながらも,できるかぎり既存の確立した技術を応用し,手書き文書も含めた文字情報の内容検索と閲覧,印刷,画像データダウンロードに機能を集中した情報提供システムである。本論では,センターの情報提供システムの特長と言える最新の画像圧縮技術を導入した画像提供システム,歴史用語と英語に対応する専門辞書,検索情報を充実させるための原文情報や英文検索対応の目録システムを中心に紹介する。
著者
鈴木 卓治 五島敏芳 牟田昌平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.8, pp.25-26, 2008-01-25

情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会において「デジタルアーカイブ」が重要な研究テーマのひとつにとりあげられるようになって久しい.デジタル技術の発達は目覚しく,「ボーンデジタル」な資料(他の媒体上で作られた資料のデジタルコピーでない,最初からデジタルデータとして作られた資料)の急速な台頭や,「Google≒デジタルアーカイブ」という視点の登場など,早くからアーカイブズとデジタル技術の問題に強い関心を寄せていた当研究会としては,この潮流を正確に把握して,デジタルアーカイブ研究をどの方向に発展させていくべきかについて,よく学ぶ必要がある.われわれは,アーカイブズの専門家を招いて,アーカイブズとデジタル技術にまつわる最新の状況と課題について理解を深めることを目的とする「アーカイブズ小特集」を全2回の予定で開催することとした.本稿は,その第1回として,国立公文書館の牟田昌平氏を招いて実施する,公文書のデジタルアーカイビングの現状と未来を探るパネル討論についての予稿である.This is a preliminary report of the 1st panel discussion titled "How will digital archives develop in the future?" Studying the current state and the future of digital archiving of various kinds of materials is very interesting and important task for our SIG. Two panel discussions of this problem are planned. Some archivists will be invited as panelists of the discussion. This panel discussion discusses the problem of digital archiving of the government documents. We will know the latest, correct information about relationship between "true archives" and digital technology by the discussion.