著者
小林 慎一 粂野 文洋 白井 康之 犬島 浩
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.192-206, 2010-03-01

ソフトウェア分野の研究開発力を強化するための一つの方策として,研究開発対象にする重点テーマを策定する方法論を提案する。この方法論では,ソフトウェア技術に関する複数のトレンドがそれぞれ独立に進展することによって対立概念が顕在化し,その解消のために新たな技術の創出が求められると考える。将来の対立点がどこに発生するかを推測することが重点分野の検討につながる。従来課題とされていた対立点の推測はソフトウェア工学の知見を活用したFURPS+モデルによるトレンドの対立度計算手法による。本方法論を用いて公的な研究費配分機関における重点的な研究開発テーマの検討を行い,25の重点分野を策定した。これらの重点分野の妥当性を評価するために,デルファイ法にもとづいて実施された文部科学省技術予測調査で得られた主要課題との比較分析を行った。本方法論で得た重点分野は文科省調査の主要課題の89%(8テーマ/9テーマ)をカバーしており,高い精度で両者が一致している。本方法論の重点分野の36%(9テーマ/25テーマ)は文科省調査の主要課題には存在しないテーマである。この部分は文科省調査に対する本方法論の独自性を示している。本方法論によって重点分野の検討プロセスに体系的な手順と一定の網羅性が得られ,複数人での検討作業が過度に発散せず,系統的で見通しの良いものになることを示した。
著者
小林 慎一 白井 康之 比屋根 一雄 粂野 文洋 犬島 浩 山内 規義
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.125, no.5, pp.720-729, 2005-05-01
被引用文献数
1

Information technology is increasingly important in recent years for the development of our society. IT has brought many changes to everything in our society with incredible speed. Hence, when we investigate R & D themes or plan business strategies in IT, we must understand overall situation around the target technology area besides technology itself. Especially it is crucial to understand overall situation as time series to know what will happen in the near future in the target area. For this purpose, we developed a method to generate Multiple-phased trend maps automatically based on the Internet content. Furthermore, we introduced quantitative indicators to analyze near future possible changes. According to the evaluation of this method we got successful and interesting results.