著者
山本 雅基 小林 隆志 宮地 充子 奥野 拓 粂野 文洋 櫻井 浩子 海上 智昭 春名 修介 井上 克郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_213-1_219, 2015-01-26 (Released:2015-02-11)

本論文では,協働教育の教育効果を測定するための新しい手法について提案して,実証評価する.分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワークenPiTでは,全国の大学院生に対して,情報技術の実践力を高める教育を実施している.実践力の育成を目的とする教育協働における教育効果の測定には,2つの課題が挙げられる.第一に,実践力は専門知識の定着を問うテストでは測定困難である.第二に,履修カリキュラムが異なる受講生を共通の指標で評価することも困難である.本論文では,学習経験を問う質問紙と行動特性を計測するテストを併用することにより,履修カリキュラムが異なる受講生の実践力を統一の基準で評価する手法を提案し,enPiTで実証評価した.
著者
小林 慎一 粂野 文洋 白井 康之 犬島 浩
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.192-206, 2010-03-01

ソフトウェア分野の研究開発力を強化するための一つの方策として,研究開発対象にする重点テーマを策定する方法論を提案する。この方法論では,ソフトウェア技術に関する複数のトレンドがそれぞれ独立に進展することによって対立概念が顕在化し,その解消のために新たな技術の創出が求められると考える。将来の対立点がどこに発生するかを推測することが重点分野の検討につながる。従来課題とされていた対立点の推測はソフトウェア工学の知見を活用したFURPS+モデルによるトレンドの対立度計算手法による。本方法論を用いて公的な研究費配分機関における重点的な研究開発テーマの検討を行い,25の重点分野を策定した。これらの重点分野の妥当性を評価するために,デルファイ法にもとづいて実施された文部科学省技術予測調査で得られた主要課題との比較分析を行った。本方法論で得た重点分野は文科省調査の主要課題の89%(8テーマ/9テーマ)をカバーしており,高い精度で両者が一致している。本方法論の重点分野の36%(9テーマ/25テーマ)は文科省調査の主要課題には存在しないテーマである。この部分は文科省調査に対する本方法論の独自性を示している。本方法論によって重点分野の検討プロセスに体系的な手順と一定の網羅性が得られ,複数人での検討作業が過度に発散せず,系統的で見通しの良いものになることを示した。
著者
櫻井 浩子 山本 雅基 海上 智昭 小林 隆志 宮地 充子 奥野 拓 粂野 文洋 春名 修介 井上 克郎
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_52-1_57, 2017 (Released:2017-02-04)
参考文献数
13

The education project, Educational Network for Practical Information Technologies, called enPiT, consists of four different important field in information technologies of information security, cloud, embedding system, business application, covers 100 universities, and more than 1,300 students have joined in enPiT. The difficulties and challenging points in enPiT exist in rich diversities of students, who are originally educated in different universities with different curriculums. This is why it is important to develop a measure of effectiveness of our education systems. In enPiT, we evaluate effectiveness by two ways of each practical skills and PROG test. In this paper, we report how to evaluate the effectiveness of practical education developed in the education project enPiT.
著者
粂野 文洋 小濱 裕太 新井 紀子
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.143-145, 2014-08-25

近年の Web サイト構築においては,コスト削減等の効果を狙い,Web に関する様々な機能があらかじめ提供されている Content Management System が利用されるケースが増えている.しかし,非常に多くの CMS が公開されており,その内容も多様であることから,ユーザの要求に合致した効果的な CMS を合理的に選択することは難しい状況となっている.本実践論文では合理的な CMS 選択を支援するためのユーザ・開発企業に共通なソフトウェア特性指標を提案する.本指標は複数の Web サイト構築事例における要求分析を行い,代表的な CMS が持つ品質特性を ISO/IEC25010 の品質特性の項目を参考に整理し,策定したものである.
著者
粂野 文洋 辻村 泰寛 大木 幹雄 山地 秀美
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.25-40, 2016-06-01

企業で活躍できる実践的なIT人材の育成が大学の情報系学科に対する社会的要請となっている.こうしたなか,ソフトウェア開発の実践的な能力を育成する効果的な手法としてPBL(Project Based Learning)が注目され,多くの大学で導入されている.一方で,周辺地域がかかえる諸課題をNPOや企業と連携して解決することも大学の重要な使命となってきている.著者らは,こうした2つの社会的な要請に応えるため,埼玉県内の複数の地域組織からソフトウェアシステムに係る要請を受け付け,その開発・提供および保守を演習テーマとするPBLを継続的に実施している.実際に利用してもらうシステムの開発・保守をテーマとする演習は,実務に近い状況体験による教育効果が期待できる反面,実施上のリスクや課題も存在する.本論文ではこうしたリスク・課題に配慮したPBLの実践例を提供することを目的に,本PBLの教育的狙い,実施上の課題をふまえた地域連携の仕組み,演習の進め方を提示し,2014年度までの実践状況を示す.その実践結果に基づき,教育効果,リスク分析と対策,連携の仕組みの評価について考察を与える.
著者
小林 慎一 白井 康之 比屋根 一雄 粂野 文洋 犬島 浩 山内 規義
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.125, no.5, pp.720-729, 2005-05-01
被引用文献数
1

Information technology is increasingly important in recent years for the development of our society. IT has brought many changes to everything in our society with incredible speed. Hence, when we investigate R & D themes or plan business strategies in IT, we must understand overall situation around the target technology area besides technology itself. Especially it is crucial to understand overall situation as time series to know what will happen in the near future in the target area. For this purpose, we developed a method to generate Multiple-phased trend maps automatically based on the Internet content. Furthermore, we introduced quantitative indicators to analyze near future possible changes. According to the evaluation of this method we got successful and interesting results.