著者
佐藤 明男 大照 完 橋本 周司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.317-318, 1991-02-25

楽器は口と手により演奏される。今、例えば宇宙船の中で、人は手と口だけで楽器はなくとも、鉛筆を指揮棒代わりにして指揮ができ、鍵盤の配列を印刷した紙をピアノ代わりに自由に演奏でき、それに応じた楽音が聞こえてきたら楽しいであろう。あたかも口笛を吹くかのようにー。このような仮想楽器がMIDI楽器、データグローブなどを用いて原理的に構成可能なことを示した。然し、それには、指揮法、演奏法、楽典の知識が必要になる。ここでは、さらに大もとに立ち返って、これらの知識がない初心者にも音楽の創作が可能なシステムの構築を試みた。[figure1]にシステムの概要を示す。マイクにより得られる単音を試作した音程一MIDI信号変換器.(PITCH TO MIDI CONVERTER)によりMIDI信号に変換する。これより、データグローブ(VPI社)を用い、手のジェスチャーから実時間で種々の和音を自動作成する。さらに、手の水平運動により和音の情報をアルペジオとして出力することもできる。データグローブの処理と音楽作成を2つの16ビットパソコンにより行う。現在は安定性及び追従性の点から昨年市販されたROLAND社のものを使用している。