3 0 0 0 OA 北限のケヤキ

著者
生方 正俊
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.55-59, 2006-06-01 (Released:2017-07-26)
著者
鵜川 信 藤澤 義武 大塚 次郎 近藤 禎二 生方 正俊
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.239-244, 2023-07-01 (Released:2023-07-20)
参考文献数
33

ニホンノウサギが主軸を切断できるコウヨウザン植栽苗のサイズを明らかにすることを目的として,様々なサイズ(苗高82~197 cm)のコウヨウザン苗を鹿児島県垂水市のスギ皆伐地に60本植栽し,ノウサギによる主軸の切断を1年間にわたり観察した。実験中に15本の苗木が枯死したが,そのうちの1本は枯死前に主軸の食害を受けていた。生残苗では,25本の苗木で主軸の食害がみられた。苗木のサイズが大きくなるほど主軸の食害がみられなくなり,一般化線形モデルでは,植栽時の苗高が140 cm以上,または,高さ60 cmの幹直径が15 mmを超える苗木であれば主軸食害を受ける確率が10%まで低下することが推定された。したがって,植栽した苗木が成長し,苗高や幹直径がこれらの数値を上回れば,ノウサギによる主軸の切断を受けにくくなると考えられた。
著者
木村 恵 山田 浩雄 生方 正俊
出版者
森林遺伝育種学会
雑誌
森林遺伝育種 (ISSN:21873453)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.105-114, 2015-07-25 (Released:2020-07-13)
参考文献数
49
被引用文献数
1

植物遺伝資源の長期的な維持・管理方法として、生殖質の生息域外保存は有効な方法のひとつである。遺伝資源を効率的に確保する上で、種子の保存は利点の多い手段であるが、乾燥耐性がほとんどない難貯蔵種子も数多く存在する。本総説ではコナラ亜属を例に、難貯蔵種子の取り扱いに関する問題点を生理的要因と生物的要因の面からまとめた。コナラ亜属においては種子が生理的な活性を保てる温度と湿度において、いかに生物学的な害(虫害、菌害)を取り除くかが重要であると考えられた。また、生理的な休眠機構を活用するには、種子の採取時期やコーティングなどの技術を検討する必要性が示唆された。今後は低温耐性や保存条件を調べることで、海外樹種で成功している−2℃程度の低温保存の検討が望まれるであろう。
著者
生方 正俊 板鼻 直栄 河野 耕蔵
出版者
日本林學會
雑誌
日本林學會誌 = Journal of the Japanese Forestry Society (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.286-290, 1999-11-16
参考文献数
20
被引用文献数
3

ミズナラとカシワの交雑和合性を明らかにするために,カシワ×ミズナラの人工交配を行った。また,すでに作られている約10年生のミズナラ×カシワの人工雑種個体について,繁殖能力,開花時期および両親種との交雑和合性を調査した。カシワ×ミズナラの人工交配で,堅果が得られた。ミズナラ×カシワの種問雑種個体は,樹齢10年生程度でも,花粉や堅果を生産する能力があり,花粉,堅果の発芽率は,ミズナラの種内交配個体と差がなく,当年生苗木の成長は,ミズナラの種内交配個体より良かった。また,この種間雑種は,両親種との戻し交雑によって堅果が得られた。ミズナラとカシワの種間雑種は両親種と開花期が大きく重なることから,自然条件で比較的容易に両親種と交雑できることが示唆された。