著者
甫立 京子 宮重 俊一 東山 由美 谷口 稔明 宮崎 茂 宮本 亨 甫立 孝一
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.371-376, 2004-06-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
30
被引用文献数
4 4

黒毛和種去勢牛でビタミンA給与を全期間 (I期とII期) 制限した制限区 (4頭) と, 1期のみ制限した対照区 (3頭) の栄養と内分泌状態を検討した.血漿ビタミンA濃度は配合飼料摂取量および血清アルブミン濃度と正の相関があり (P<0.01), ビタミンA濃度が20IU/dl以下になると配合飼料摂取量は急激に低下し, と畜前のアルブミン濃度 (2.6vs3.7g/dl) とアルブミン/グロブリン比 (0.61 vs 1.12) は制限区が対照区より有意に低かった (P<0.01).と畜前に飼料摂取量が低下した制限区の牛は蛋白質とエネルギー不足の状態であり, 最も不足していた牛で全身筋肉水腫が発生した.この時レプチン濃度に差はなかったが, トリヨードサイロニン濃度は低下し, 成長ホルモン濃度は上昇する低栄養状態の特徴を示した.筋肉水腫発生の原因のひとつは, ビタミンA欠乏により血清アルブミン濃度が減少し, 血液の膠質浸透圧が低下することによると考えられる.
著者
入交 眞巳 中西 コスモ 渡辺 宏 松浦 晶央 山崎 淳 大西 良雄 甫立 孝一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.721-727, 2011-09-20
参考文献数
11

本研究はペットとして飼われている犬の飼育者に対して,犬飼育に関する意識調査をアンケート方式において行った.青森県内に住む犬飼育者を対象に29の設問のアンケート用紙を動物フェスティバルや動物病院で配布し,471名の犬飼育者から回答を得た.回答者の7割は女性で,年齢は30~40代が多く,家族とともに暮らしている人が9割を占めた.犬飼育の理由としては,自分か家族が動物好きだからが5割以上を占めた.不妊去勢手術に対し75%が賛成しているが,実際に処置している飼育者は4割弱であった.飼い犬に所有者明示をしている人は3割できわめて少なかった.獣医師会や環境省の啓発にもかかわらず,不妊去勢手術実施や所有者明示の割合が少なかったことから,獣医師は地域社会に対しこれまで以上に正しい犬飼育の教育と啓発を行っていくべきである.