著者
渡辺 勝敏 森 誠一 名越 誠 田 祥麟 清水 義孝
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.157-162, 1992-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11

日本の伊勢湾周辺に局在するネコギギCoreobagrus ichikawaiは, 韓国に分布するウサギギギC. brevicorpusとの核型の相違が報告されているが, 過去にはその形態的類似性から, 独立した種としての有効性が疑われることがあった.櫛田川と田切川 (員弁川水系) 産のネコギギ32個体, および南江 (洛東江水系) 産のウサギギギ35個体について, 計数および計量的な合計18形質を比較した.その結果, 臀鰭軟条数, 鰓耙数, 体高比, 眼径比, および頭部と各鰭の大きさや形など, 多くの形質で有意な差異が認められた.さらに, 胸鰭棘前縁の鋸歯の形状や固定標本の色彩にも差異が認められた.また, 体長約50mmを越えた個体については, 両者を識別する際に相体成長をほとんど無視できることがわかった.一方, Jayaram (1966) が記載したC. okadaiは, C. ichikawaiのシノニムと判断された.
著者
岩田 明久 田 祥麟 水野 信彦 崔 基哲
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.373-388, 1985

ドンコ属魚類について再検討を行なった.ドンコ属は, 1) 平坦な骨質隆起が眼の背方上部にある事, 2) 前鯉蓋骨に棘がない事, 3) 鋤骨に歯がない事, 4) 鯉孔は目の下方まで達する事, 5) 両眼間隔は眼径より大きい事, 6) 背鰭前部鱗は鼻孔後方に達する事などで定義される.該当種はドンコ<I>Odontobutis obscuraobscura</I>, カラドンコ<I>O.o.potamophila</I>, セマダラドンコ (〓〓〓〓〓) <I>O.o.interruta</I>, コウライドンコ (〓〓〓) <I>O.platycephala</I>で, 後2者は新亜種および新種である.<BR>コウライドンコ<I>O.platycephala</I>は頭部側線感覚系において孔器列の前鯉蓋下顎列上にふたつの感覚管を有する事で他のドンコ類と明瞭に区別される.カラドンコ<I>O.o.potamophila</I>とセマダラドンコ<I>O.o.interrupta</I>は眼上列眼後部にひとつの感覚管を有する事でドンコO.o.obscuraと区別される.カラドンコ<I>O .o.potamophila</I>とセマダラドンコ<I>O.o.interrupta</I>の差異は前者が眼下列と眼前頬縦列が分離しているのに対し後者はそれらが連続している事である.また後者の体側背方には明色帯が縦走するため暗色鞍状斑は中断される.<BR>ドンコO.o.obscuraは西日本, カラドンコ<I>O.o.potamophila</I>は中国に分布する.セマダラドンコ<I>O.o.interrupta</I>は韓国の錦江以北の西韓亜地域に, コウライドンコ<I>O.platycephala</I>は東韓亜地域北部を除く韓国全土にそれぞれ分布している.
著者
岩田 明久 田 祥麟 水野 信彦 崔 基哲
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.373-388, 1985-02-20 (Released:2011-02-23)
参考文献数
36

ドンコ属魚類について再検討を行なった.ドンコ属は, 1) 平坦な骨質隆起が眼の背方上部にある事, 2) 前鯉蓋骨に棘がない事, 3) 鋤骨に歯がない事, 4) 鯉孔は目の下方まで達する事, 5) 両眼間隔は眼径より大きい事, 6) 背鰭前部鱗は鼻孔後方に達する事などで定義される.該当種はドンコOdontobutis obscuraobscura, カラドンコO.o.potamophila, セマダラドンコ (〓〓〓〓〓) O.o.interruta, コウライドンコ (〓〓〓) O.platycephalaで, 後2者は新亜種および新種である.コウライドンコO.platycephalaは頭部側線感覚系において孔器列の前鯉蓋下顎列上にふたつの感覚管を有する事で他のドンコ類と明瞭に区別される.カラドンコO.o.potamophilaとセマダラドンコO.o.interruptaは眼上列眼後部にひとつの感覚管を有する事でドンコO.o.obscuraと区別される.カラドンコO .o.potamophilaとセマダラドンコO.o.interruptaの差異は前者が眼下列と眼前頬縦列が分離しているのに対し後者はそれらが連続している事である.また後者の体側背方には明色帯が縦走するため暗色鞍状斑は中断される.ドンコO.o.obscuraは西日本, カラドンコO.o.potamophilaは中国に分布する.セマダラドンコO.o.interruptaは韓国の錦江以北の西韓亜地域に, コウライドンコO.platycephalaは東韓亜地域北部を除く韓国全土にそれぞれ分布している.
著者
中坊 徹次 田 祥麟
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.195-196, 1986

韓国南東部にあたる慶尚北道蔚珍郡平海面金音里の沿岸から, 韓国初記録のネズッポ科ネズッポ属魚類の1種, <I>Repomucenus beniteguri</I> (Jordan et Snyder) (新韓国名: Nal-Tot-Yangtae;和名: トビヌメリ) を採集し, 記載した.記載した標本は雄1個体で, 10-20mの砂底からヒラメ底刺網によって採集された.