著者
竹本 潔 譽田 貴子 服部 妙香 田中 勝治 新宅 治夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.153-157, 2022 (Released:2022-11-16)
参考文献数
13

【目的】医療型障害児入所施設の職員の終末期ケアに関する意識と施設の現状を明らかにする.【方法】医療型障害児入所施設の全職員466人を対象にACPに関する意識調査を行った.【結果】回収率77.0%,ACP(または人生会議)を知らないと回答した直接支援者は20.2%,間接支援者は50.9%であった.人生の最終段階における医療・ケアについて本人や家族等との話し合い経験者は27.1%であった.話し合いの内容は本人よりも家族の価値観や希望が多く,開始のタイミングは死が近づいた時が多かった.ACP導入については直接支援者の7割以上が希望し,事前準備として研修を希望する人が多かった.家族不在の場合の代理意思決定については多職種の医療・ケアチームで協議し,その結果を倫理委員会で承認を受けることに対して,大半の職員が賛成した.【結論】医療型障害児入所施設でのACP推進には職員への研修が必要である.
著者
西村 善博 前田 均 田中 勝治 橋本 彰則 橋本 由香子 横山 光宏 福崎 恒
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.795-801, 1991-07-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
18
被引用文献数
8

加齢による呼吸筋力の変化を検討するため, 成人116名 (男性57例, 女性59例) を対象に, 座位にて全肺気量位での呼気最大口腔内圧 (PEmax) 及び残気量位での吸気最大口腔内圧 (PImax) を測定した. 口腔内圧測定の至適回数に対する予備的検討で, 最低3回測定すれば再現性のよい値が得られたので, 3回測定での最大値を用いた. PEmaxの平均値は, 男女それぞれ123.6cmH2O及び79.0cmH2O, PImaxの平均値はそれぞれ98.4cmH2O及び71.9cmH2を示し, 性別間で有意差を認めた. PEmax及びPImaxは男女とも年齢との間に有意な負の相関を認めた. PEmaxは全肺気量と有意な正相関を, PImaxは残気率と有意な負の相関を認めた. 残気率は加齢による増加を認めた. 以上の呼吸筋力の検討より, 加齢による吸気筋力低下の原因の一つに経年的な残気率増大が関与している可能性が示唆された. 一方, 呼気筋力の経年的筋力低下は肺機能諸量と明確な関係を示さず, 栄養状態, 全身的筋力低下など多因子の関与が推測された. 最大口腔内圧測定は最低3回行えば再現性のある値の得られることが確認された.