- 著者
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穂積 啓一郎
北村 桂介
田中 喜秀
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.6, pp.259-262, 1989
- 被引用文献数
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酸素フラスコ燃焼法は,操作が簡便な特徴を有するが,塩素定量の場合,濾紙の汚染による誤差が問題であり,特に超微量領域で著しい.一方,カリウス湿式封管分解法は,加熱分解中爆発の危険があるうえ,分解後強酸が残留して定量操作に障害となりやすい.そこで,今回酸素を充たした小封管中で試料を完全分解し,この後塩化物イオンを電位差滴定する新しい超微量定量を試みた.1mg以下の試料を一端を閉じたガラス管に取り,管内を酸素で置換した後,開口端を針状に引き伸ばして封じた.これを580℃の電気炉で1時間加熱分解した後,吸収液を入れたビーカー中に針端部を押し付けて割り,浸入した吸収液に分解ガスを30分放置して吸収させて,封管内壁を洗浄し,0.001M硝酸銀-2-プロパノール標準液で電位差滴定を行った.本法を用いて諸種の標準物質の定量を行った結果,標準偏差として約0.2%が得られた.