著者
岡田 富雄 浅井 淳平 飯島 宗一 早川 律子 田中 隆義 大橋 勝
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.378-382, 1980 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1

飽和炭化水素であるスクワランに長期紫外線照射すると, 経時的にTBA値が上昇し, その紫外線照射スクワランをモルモットの皮膚に繰り返し塗布すると明らかな紅斑が生じ, 血管透過性が亢進した。組織学的には, 表皮におけるacanthosig, hyperkeratosis, 基底細胞層の一部に空胞変性, exocytosisが見られ, 真皮上層では好中球を主体とした細胞浸潤と中等度の血管拡張がみられた。超微形態学的には, 表皮基底細胞においてミトコンドリアの膨化, 拡大した細胞間隙に細胞成分の残渣が浮遊している像がみられた。また, この紫外線照射スクワランをGLC, TLCを用いて分析した結果, 紫外線照射によって新たに生じた二次産物は過酸化物であることが確認された。
著者
田中 隆義 水野 雅子 早川 律子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.351-355, 1980

尋常性乾癬の患者でODTに際しラップ皮膚炎を生じた症例を経験した. この患者に数種類のラップ, 添加剤のパッチテストを施行し原因を追求した. 結果はポリ塩化ビニリデンが原料であるサランラップ, クレラップ (++) であった. 添加剤では, 現在使われていると推測される5種類の添加剤をそのまま貼布したところ, ATBC (++), DBS (++) であった. さらに名古屋大学附属病院分院化粧品外来患者に同様のパッチテストを施行したところ, ラップ, 添加剤とも (++) 以上の陽性反応を示した者はなかった.