著者
松岡 松三 河辺 明彦 坂上 種男 青木 洋二 田村 康二 今井 哲也 菊田 亮司 大山 芳郎 江口 晃 真島 正 小黒 忠太郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.36-39, 1966-04-10 (Released:2011-02-22)
参考文献数
9

全内臓逆位症に先天性心疾患が合併することは非常にまれといわれている. われわれはEbstein病に全内臓逆位症を合併した症例を経験した. 15才の男子で, チアノーゼ強く, やもり指を認めた. 赤血球増多症のほか生化学的検査などはすべて正常. 胸部X線像は, 定型的右心症陰影. 心電図はP波の増高, および著明な右室肥大所見があつた. 経静脈心血管造影で右室遠位部および肺動脈の造影遅延, 大動脈の早期造影の所見がみられた. 心腔内心電図併用心カテーテルで右房化した近位部右心室が証明されEbstein病と診断された. なお, 大動脈の早期造影は心房中隔欠損のためであつた. Ebstein病は心電図で普通, 右室肥大の所見は示さない. また心内圧は正常または低いのが普通であるが, 本症は右心室圧が高く肺動脈圧が低い, 血行動態上, 肺動脈狭窄の所見を呈していた. これらにつき若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
田村 康二 坂内 省五 樋熊 紀雄 小沢 武文 松岡 松三
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.8, no.13, pp.1273-1280, 1976

冠予備力の測定には最大冠血流量の起こさせ方とその測定法に問題がある.そこで種々のストレス下での経時的冠血流量の変化の内での最大血流量の変化をみて冠血流量の予備力をヒトで検討してみた.(1)冠動脈全体の最大血流量(冠予備力)の判定についてi)運動試験の場合:平均36%の増加の冠血流量を認めた.ii)精神暗箪負荷試験:平均26%の冠血流量の増加を認めた.しかしいずれも動物実験から推測される最大血流量には至らなかった.iii)ニトログリセリン投与:9.5~14.4%の増加.iv)亜硝酸アミル投与:63% .v)Dipyridamole:46%の増加.vi)Etaphenone hydrochloride:9%の増加と薬剤投与で最大血流量は認められなかった.vii)冠静脈洞ペーシング負荷法:104%の増加が非心筋虚血群で認められた.これも最大血流量はみれないが負荷法としては安定していた.(2) 単一冠動脈の冠予備力:冠動脈造影時の冠血流量の反応が手掛りを与えてくれる.